シングルボーイ下位時代

しょっぱいドルヲタが細々と喋ります

僕と親友の仲を引き裂いた”ある女”の話

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人生で一度だけ友人に掴みかかった事がある。 

 

あれは(ピー)年前、金も女も学もなく、時間とやり場のない情熱だけが無限にあった高校時代。

 

当時アニヲタと声優ヲタの香ばしさだけを抽出して掛け合わせたサラブレッド二元豚の名を欲しいままにしていたゲバラ少年。

 

レモンが弾ける気配が微塵もしなかった17歳の日々。

 

リア充達の好奇の目線を遮るように伸ばした前髪。

それはさながら鬼太郎であり、当然スクールカーストも下下下の下。

 

そんな教室の隅で三角コーナの生ゴミlikeな腐臭を漂わせていた当時の僕にも、かけがえのない友がいた。

 

仮に名前をAとしよう。

端的に言ってAはキモヲタだった。

 

世間的に見てキモヲタの部類に入る当時の僕が、奴を見て何の躊躇いもなく「キwモwヲwタw」と言うくらいにはAはキモヲタだった。

小太りで声が高く、ゾンビ映画に出てくる最初に死ぬクラスメイト役の才能にピンポイントで恵まれていた。

 

そんなAの二次元への愛は凄かった。

否、キモかった。

 

そして絶妙にヤバさのベクトルこそ違いながらも、世間の爪弾きもの同士、僕等は出会ってすぐに親しくなった。

 

ちなみにAの家は裕福だったので、毎週のようにレモンの弾けない友人たちと入り浸った。

 

集まっても何をするでもなく、アニメの話に花を咲かせ、時にネットに興じ、交代で東方プロジェクトをプレイしながらお互いをはやし立てる。

世間から見たら極めてキモい、そんな日々が幸せだった。

しかしそんな平穏も長くは続かなかった。

 

その後「ウホっ♂男だらけのお泊り大会」を通じてついに寝食すら共にし、いよいよ染色体が一個違っていたら色々危なかった次元にまで深まった僕等の仲は、ある女により突如引き裂かれた。

 

その女、名を「間桐桜(まとうさくら)」といった。

 

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桜は16歳で、当時の僕等より一つ年下だった。

桜は澄んだ綺麗な声をしていた。

桜のCVは下屋則子さんだった。

桜は大人しく清楚な性格ながら衣服の下のボディラインは全く大人しくないという、まるでキモヲタの欲望を絵に描いたような女だった。

というか絵に描いた女だった。

そしてCVは下屋則子さんだった。

 

当時の僕とAは桜の出演するアニメ・ゲーム作品「Fate/stay night(フェイトステイナイト)」シリーズにバキバキに夢中であり、一時期は暇さえあればFateの話をしていた。

 

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(※ちなみにこの「Fate/stay night」は、願いを叶える「聖杯」というアイテムを巡って7人の魔術師が歴史や神話の英雄たちをパートナーにサバイバルバトルを繰り広げる話です。気になった人向けに詳細は文末で紹介しますが、「アニメとかよくわかんねーわ」って人もとりあえず雰囲気でついてきてください)

 

しかしこのFateの話となると、僕とAはとにかくそりが合わなかった。

作中で引用されている歴史や神話の元ネタをかき集めて得意気に語り悦に浸る「ソース周回型ヲタク」のAと、目で見て耳で聞き心臓で感じた衝動から二次的な妄想を無限に膨らませる「イマジネーション型ヲタク」の僕の話は常に平行線だった。

もはや二人とも自分の話をしたいだけの状態。

配慮という概念の存在しない世界。

互いに相手のターンではマンガを読みながら片手間で話を聞いていた。

ただ、気の置けない関係だからこそ成り立つそんな無遠慮さが当時の僕等には心地よかった。

しかしある日、この2人の男が桜を巡って初めて正面からぶつかることになる。

きっかけはある日のAの発言。

彼はいつも通りFateの話をしながら、何の気なしにサラっとこう言った。

 

「でもな~、桜はビッ〇だからなぁ、」

 

ーブチッー

 

こめかみから聞き慣れない音がした。

「おい待てA、今なんて言った?」

 

(※言い忘れていたが桜の家系はやや複雑で、彼女にはここでは若干書きづらいハードな幼少期を過ごした過去があった。詳しく言うとネタバレになるので雑に濁すが家の事情で仕方なく幼いころからそれはまぁ過酷な生活を強いられていた訳だが、それを細かく描写し始めるとネタブログとしての陽気さを保てないのでザックリ察して欲しい。かしこ。)

 

話を戻します。

 

つまり、ちょっと怪しい方法で魔術の実験を繰り返していた家系に生まれた桜は、本意でないながらも仕方なくその暗い日々に耐えていた時期があった。

 

そこに先のAの発言である。

 

僕の体は考えるより先に動き、気付くとAの胸倉を掴みながらこう叫んでいた、

 

「テメェに桜の何が分かるんだ!!!!!」

 

我ながら書いていてキツイものがある。

 

ただ僕にとって桜は「幸せになって欲しいキャラ」の筆頭であった。

いわゆるアニメブーム黎明期によく言われていた『〇〇は俺の嫁』的な、『自分対キャラ』の非現実的な恋愛感情とはまた違い、どちらかというと物影から見守っていたいような、彼女個人の幸せな結末をつい望んでしまうような、そんなキャラだった。

 

こうして今改めて考えてみると、この感情はどちらかというとドルヲタの「推し」的な感情に近いのかもしれない。

 

とにかくそうした経緯で、当時まだ存在していない言葉ながら、確実に高校生当時の僕の『推しメン』であった桜に対し、不意に浴びせられたAからの罵倒。

 

こうして虫も殺さないような大人しい僕が生まれて初めて「他人の胸倉を掴む」という行為に出たがわけだが当然ながら案の定の大苦戦、都合3~4回はモタモタと掴み直してAのTシャツの襟周りはゆるやかに伸びていった。

 

もとより夜道で光る他人の家のサーチライトにもビビり散らすほどノミ心臓のゲバラだが、持ち前の身内弁慶とライトノベル仕入れた知っている限りの汚い言葉を用いて精一杯の口撃を開始した。

 

「いいか?お前ごときが桜のこと知った口で語るんじぇねぇぞ?お前に桜がどんな気持ちであの幼少期からの日々を耐えてきた先でやっと士郎(主人公)と出会えた事でどれだけ人生が明るく開けたか分かるか?お前みたいな安易に幼女枠に収まる思考停止型のロリコンは一生『イリヤたんprpr』とか言ってろ!おは幼女ロリこんにちはペドフィリわんこそばとか毎日言ってろクソが!」

 

『お前黙って聞いてりゃ随分言ってくれんじゃねぇか!俺がロリコンかどうかとかじゃなく世界共通の真理としてJKなんてとっくにBBAなんだよ!それに事実を言って何が悪い!お前だって桜ルート完走して内容知ってんだろ?見てねぇ聞いてねぇ興奮してねぇとは言わせねぇぞ?お前みたいな善人ぶるヲタクが一番しょうもねぇんだよ!』

 

「なんだとテメコラ!もうお前かえれ」

 

『は?何言ってんのお前、ココ俺んちだよバーカ』

 

「いや家じゃなくて土に還れ」

 

『あ?』

 

と言葉ばかりは威勢がいいが、互いにまったく手が出ない。

それもそのはず、双方クラスの隅っこの三角コーナーで腐臭を放つ生ゴミ系男子だったゲバラとAは当然ケンカなど生涯一度もしたことがなく、人の殴り方など元より知る由もなかった。

 

そのため両者弱過ぎて決着の付かない泥仕合ラップバトルのような罵り合いはその後もズルズル続いた。

 

そして互いを罵り合いながらも僕とAは、次第に薄々勘づき始めていた。

このやり取りは不毛だと。

時間と体力の無駄遣いだと。

 

この広い世界の中で、人に与えられた時間は平等である。

誰かを笑わせても1分。

誰かを悲しませても同じ1分。

道端の花の美しさに心震わせても1分。

モテないヲタク同士で存在しない女を巡って口論になっても同じ1分。

恵まれない国の子供たちを想って涙を流しても1分。

かつて一緒に汗を流しながらアニメイト本店の長い階段を昇った日々を忘れ、実際には居もしない女の話で朝まで生テレビより熱いテンションで口喧嘩をしても1分。

 

考えてみればこんなに悲しいことは無い。

同じ時間に違う場所では、美男と美女がデートをしているかもしれない中、マンガと同人誌と二次キャラ抱き枕の散乱した部屋でブサイク二人が罵り合っている。

こんなに切ない対比はない。

 

脳内BGMの「and I love you(♪Mr.Children)」に合わせて、罵り合うブサイク2人と愛し合う美男美女の対照的過ぎる風景がスロー映像で浮かんでくるようだった。

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傷つけ合う為じゃなく

僕らは出会ったって言い切れるかなぁ?

 

そう。きっと僕らはこうして傷つけ合う為に出会ったわけではなかったし、きっと桜も僕らを傷つけ合わせる為にこの世に生み出された訳ではなかったはずだ。

 

口ベタでシャイで内向的で、好きな物を通じてしか人と仲良くなれない。

きっと桜は、そんな歪なキモヲタたちを繋ぐ架け橋になってくれる存在であったはずだ。

 

なのにどうしてこうなってしまったんだろう。

 

たった一人の女のせいで、永遠に思えた僕等の友情はなぜこうも儚く引き裂かれてしまったんだろう。

オザケンと小山田もこんな心境だったのだろうか。

 

かくして口論は激化の一途をたどり、もはや互いの人格否定も含めてドン・フライVS高山戦並にノーガードの殴り合いが続いた(※口だけ)。

 

(もうコイツとの仲は一生修復できないだろう)

 

悲しいが、僕は自分の中でそう折り合いをつけ始めていた。

こんな些細なことで親友を失うことになるとは。

 

そんなことを思っていると、Aの母親が手土産の菓子を持って帰ってきた。

 

高貴な家庭の奥様らしく「みんなで食べましょう」と、2階のAの部屋にいた僕等に向かって、状況も知らずに呑気に呼びかけてくる。

 

冗談じゃない、勘弁してくれ。

今のこの険悪な空気の中で、僕とAが仲良くおやつなど食える訳がない。

Aを見るとどうやら同じ心境のようだったが、そこでAは控えめにこう言った。

 

「一応見るだけ…見にいく?」

 

依然その顔からは闘気は消えていなかったものの、意外な提案に僕は思わず、

 

「お、おう…一応な。買ってきてもらって悪いし、顔くらい見せねぇとな、」

 

と返した。

 

 

そして数十分後。

僕とAは仲良くおやつを食っていた。

高級洋菓子に舌鼓を打っているうちに桜の話題は空中で霧散し、食後には愉快にスマブラに興じた。

 

人より多く屁理屈を垂れたところで、しょせん当時の僕らはどこにでもいる高校生のガキだったのだろう。

そんな僕らを知ってか知らずか、桜はいつまでも静かに微笑んでいる。

 

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高校生当時の僕等の事を、後輩キャラという設定どおり「先輩♪」と呼んでくれた桜だが、その後こちらが一方的に歳をとり続けたせいで、今やその差は一回り近くにもなってきた。

 

それでも桜は、いつまでもレモンの弾けない僕等のことを変わらず「先輩♪」と呼び続けてくれる。

 

それでは、互いを許し合えなかったかつての僕等に向けつつ、この曲を紹介することでブログを締めようと思う。

 

曲は、間桐桜(cv下屋則子)で「笑顔ひとつで」。

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P.S.

 

Fate」シリーズについては大人気による派生に次ぐ派生で今や種類が多すぎて、初見の方は混乱するかもしれませんが、基本的には「Fate/stay night」と「Fate/Zero」を見ておけばいいと思います。

 

ちなみにアニメは過去複数の会社により制作されており、昔の「DEEN」版はやや出来が悪いので、できれば最近の「ufotable」版を見ることをオススメします。

 

詳しくはこの動画でほぼ分かるので興味あればぜひ!

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最後に、そんな桜がメインヒロインを務める通称「桜ルート」こと「Heaven's feel」編は現在映画として制作されており、このブログを書いている2018年5月時点では、全3章のうち1章目のみ公開されています。続編も鋭意制作中とのことなのでお楽しみに。

 

上の動画でも言っている通り、第1、第2ルート視聴後でないとやや話に置いて行かれるとは思いますが、絶対面白いと自信を持って言い切れるのでよければ色々調べて見てみてください。

 

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では、ここまでお付き合いありがとうございました。

ほな!

 

推しメンが髪切ってメンブレしたヲタクの話(前編)

拗らせヲタクの生態ほど面白いものはない。

できることなら常に誰かしら拗らせヲタクの様子を遠巻きに監視していたいとすら思う。

これはそんな拗らせヲタク愛好家のはずの僕自身が拗らせてしまったという1人パワーボム的なお話

 

ディス〇バリーチャンネルに重課金しても決してお目にかかれない限界ヲタクの貴重な生態を、珍しく読みやすい文量と内容に見合わない生意気な前後篇でお楽しみあれ。

 

3/16(金)

花金を折り返し悦に入っていたところに届いた推しメンのブログ更新通知という名の福音。

途端に輝きを増す昼休憩。

今回も「男装・女心指南・ほっこり家族話」というサ〇エさんも裸足で逃げ出す鮮やかな三本立てを披露した揺るぎねぇ推しメンことAIS(アイス)、橋本麗愛(はしもとれな)ちゃん。

溢れるサービス精神に加え、意識と鼻の高さがありがたい。

可愛い顔面画像を見ながら、上がるテンションと下がる目尻。

心の大泉〇郎もすっかりウレション状態である。

ブログについても「画像、改行、冗談、マジレス」全てにおいて羽生くんのフリー並に無駄のない構成でいつもながらヲタクは舌を巻くばかりであった。

ameblo.jp

 かくして存在しないアゴヒゲを得意気にイジりながら推しメンの魅力と文才に陶酔するだけの贅沢な昼休憩が過ぎ、午後の勤務も終えてルンバより厳かに帰宅。

待ちに待った週末がやってきて心はとうにフル〇ンである。 

しかもこの日は夜からAISのShowroom配信が予告されていたので、より一層血色の良い顔で花金の夜の充実した在宅ライフを楽しんだ。

 

ほどなくして時間となり、待ちに待ったShowroom配信が始まった。

視聴は現場同様ノーコメ・ノーギフトでひたすら推しメンを見守る安定のサイレント地蔵スタイルを決め込んだ。

そして流れ始めた映像を見ているとあることに気付く。

推しメンがいない。

おかしいな?と思いつつもしばらく様子を見ていると予想だにしなかった意外な展開が待っていた。

 

 

youtu.be

 

推しメンが髪を切っていた(※動画30秒頃)。

PCで配信を見ていた僕は、画面に推しメンが出てきた瞬間一体何が起こったのか分からなかった。

長かった推しメンの髪がなくなっている。

体の後ろに隠して「ボブにしました~♪なんちゃって嘘で~すw」みたいなクッソしょうもないネタでもない、正真正銘の断髪だ。

一体なにがあった推しメン?悩みなら言ってくれればいつだって俺が(券を積んで)聞いたのに。

しかし流れた時は戻らない。

それに何も推しメン自身がいなくなったわけではなく、今もこうして目の前にちゃんといる。

冷静に考えて何も失っていないじゃないか。

俺は何を取り乱しているんだろう。

我ながらバカだなぁ、はははwなどと思いながらしばらく見ていたshowroomが終わりふと我に返る。

 

その夜、僕は寝込んでしまった。

 

【つづく】

読むドルヲタ落語「死神」

overture(出囃子)

 

youtu.be

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(※元ネタ「死神」のあらすじ(※動画

 

酒に女に散財し、借金で首が回らなくなった男。

ついに妻子にも見捨てられ「こうなったら死のう」と首を吊る算段を立てる。

 

「しかしどうやればいいのか」

 

そう頭を抱えているとどこからか不気味な老人が現れ、「まだ死ぬな」と男に話しかける。

驚いた男が怪しんで素性を尋ねると「俺か?俺は死神だよ」と老人。

 

聞くと「お前にはまだ寿命がある。それより金儲けになるいい事を教えてやる。お前は医者になれ」と死神。

 

なんでも、大病で寝たきりの患者には人の目に見えない死神が付いており、その死神が枕元にいれば病人は寿命で助からない、ただし足元にいる場合は呪文を唱えて退散させることができる、とのこと。

 

「特別にお前にも死神が見えるようにしてやる。呪文は『アジャラモクレン キューライス テケレッツのパ』と唱えてから手を二つ打て。ただし、もし死神が枕元にいた場合は絶対に何もするなよ」

 

そう言うと死神はいなくなった。

その後、男は半信半疑ながら寝たきりの病人を探し訪ねてみると、たしかにその足元には死神が座っていた。

 

言われた通りに呪文を唱え手を二つ叩くと、足元にいた死神はすぐさま消え、途端に病人は飛び起きる様に元気になった。

こうして男は「街の名医」として時の人となり、方々で引っ張りだこ。

たちまちに財をなした。

 

しかしせっかく作った大金をまたも酒と女で使い切ってしまう男。

 

「なぁに、金ならまた医者やって儲ければいいさ」

 

そうケラケラ笑っていたのもつかの間。 

その後は思うように患者が来ない。

更にやっと来たと思っても枕元が続き、さすがの男も焦り始めた。

 

そんな時、ある大富豪からの依頼があり患者を訪ねてみるも死神はまた枕元。

男が諦めて帰ろうとすると、「治してもらえれば1万両差し上げます」と引き止められる。

ここで大金に目がくらんだ男。

病人の布団の四隅に男四人を配置し、死神がウトウトした隙にせーので持ち上げて布団を半回転。

死神が足元にきたところですかさず呪文を唱えると、驚いた死神は一瞬で消え去り、途端に病人は全快。

かくして大金を手にした男が夢心地で帰路を歩いていると、「なんであんなことをした」と最初に会った死神が再び現れた。

なんでも、男がルールを破ったせいで死神は制裁の憂き目にあったという。

 

「俺と一緒に来い」

 

そう言われ男が死神に連れられて入った洞窟の奥には、無数のろうそくが灯っていた。

聞くと、このろうそく一本一本は全て人間の寿命なのだという。

 

「おや、ここにずいぶん短いのがありますね」

「それはお前の寿命だ。」

「えっ…!?」

「今朝まではその隣にある長いろうそくがお前のだったが、金に目がくらんだお前はあの病人と寿命を換えたんだ。そのろうそくの火はもうすぐ消える。それが消えたらお前は死ぬよ。」

「そ、そんな…か、金なら全部お前にやるから!なんとかしてくれ!助けてくれ…頼むよ!」

 

男がそう懇願すると、死神は燃え残りのろうそくを手渡しながらこう言った。

 

「これに火を移し換えることができたら、それが新しい寿命になりお前は生き永らえる。ただし、失敗したら死ぬ。はやくしないと、消えるよ。」

 

男は慌てて火をつごうとするが、手が震えてうまくいかない。

 

「どうした?何を震えている?ほら早くしろ、消えると死ぬよ。消えるよ…消えるよ…ほうら、消えた。」

 

<読了目安→約20分程> 

 

 

(※この物語はフィクションです。諸々ご了承の上でお楽しみください)

 

え~、毎度いっぱいのお運びありがとうございます。

 

ご覧の通り久々のネタブログということで、えぇ、まぁ私自身、若干の緊張があることは否定できないのですが、何を期待したのかこんな駄エントリを開いていただき、地味に長い元ネタ解説も消化の上、今こうして私の文章を読んでくださるヒm…じゃなかった、心優しい皆様に厚く御礼を申し上げつつ、ご期待に沿えるよう、最後まで真面目にふざけられればと思う次第でございます。

 

 さて、推しは変えずに話は変わりますが、日本には元来、八百万の神がいるといわれております。

 

それこそ神羅万象多種多様、大から小まであらゆる事物に神仏が宿るとされております。

 

まぁとりわけドルヲタにとっての「神」といいますと、握手会での「神対応」なんてワードがメジャーかと思いますが、そんな「神対応」を受けるための架け橋になるのが、”特典券”と名付けられた小さな「紙」だってんだから皮肉が効いていますネ。

 

汗水垂らして稼いだ大枚を「神」に捧げて「紙」に換えるってんだから甲斐甲斐しいことこの上ありません。

その上いざ握手会行ったら行ったで、緊張で上手く話せず自分が「噛み様」になっちまうってんだから愛らしい。

 

思えば世の中が48に染まり始めた頃から、日ごと聞く機会が増えたように思うこの「神」という便利な言葉。

 

最近では神の使いを名乗るアイドルグループも出てきたということで、是非この停滞したアイドル業界にその名を轟かせ、退屈に慣れ切ったヲタク達を激情に駆り立てながら、綺羅星如く 輝いて欲しいと願うばかりでございます。あと渋谷ワンマン超楽しかったっす。

 

 しかしこうして書くと一見「ありがたさの象徴」のようにも思える神ですが、神は神でも出くわしたくない神もおります。

 

中でも「死神」なんてぇと、こりゃあんまりお付き合いしたくねぇ神様なもんで…

 

 

 

・・・

 

 

 

「認知は命より重い」

 

そんな間違った福本イズムを信条とする厄介ピンチケがここに一人。

その男、姓は略して名は下腹(ゲバラ)といった。

 

何を隠そうこの下腹、大を飛び越えdieが付くほどのアイドル好きであると同時に、三度の飯より認知を求めるステレオタイプのかまってちゃん。

 

昼夜問わないガチ恋リプと、あらゆる生活費を切り詰めた末の限界財力に物を言わせた地獄の接触鬼ループで、方々の推しメンに油汚れよりもしつこく過粘着するというブ◯ース・ウィリスも裸足で逃げ出す大ハードっぷり。

 

その上ろくに通っていない現場でも後から来て厚かましく最前に割り込んではガン開きの瞳孔で射貫くように推しを見つめながら野獣のようなコールと下手糞なフリコピで傍若無人に騒ぎ散らした挙句、ライブが終わるとレスや目線の多い少ないに分かりやすく病み落ち込み嘆きツイって一人勝手に心潰える生粋のメンヘラ厄介クソヲタクだった。

 

ことライブにおいては「最前0ズレ」を譲れぬモットーとする下腹だが、皮肉にもヲタクとしての自分のズレにはいつまでも気付く気配がなく、ネットを覗くと常にワニ〇ニパニックもビックリの散々な叩かれっぷり。

 

ただ当の本人はそんな事も露知らず「無邪気で無自覚で度を超えたハイパーポジティブ」というピンチケスキルの大三元をいいことに、嫌われヲタク界隈に日々ディープなインパクトを与え続け、一人いつまでもハルウララかな毎日を桜花しているのであった。

 

そんな下腹にとってもはやリフトサーフモッシュ女ヲタヲタなどは挨拶代わりのライフワークであり、「今後いつ新木場〇ーストに不法侵入しても不思議はないな」という周囲からの評価も至極妥当なものであった。

 

しかしそうして日々全方位厄介を続けるこの男にも、一つだけ大きな悩みがあった。

 

「あぁークソ!なんで俺が推すアイドルはすぐ居なくなるんだよ!」

 

そうこの男、『下腹が推すアイドルは絶対にすぐ辞める』と誰もに言わしめる呪われたヲタクであり、周囲が彼を『死神』と呼ぶまでそう時間はかからなかった。

 

まぁそもそも『素行が悪い下腹が通うことで現場が荒れ、客が減ってグループの雰囲気が悪くなり、結果として推しメンが辞める』という至極真っ当な流れこそあるものの、オツムの足りない自己顕示欲の塊魂な下腹にそんな小難しい理屈が分かるはずもない。

 

こうしていつしか界隈を超えて、どこのヲタクもこの下腹の動向に気を払うようになり、その誰もが(ウチの現場にだけは来ないでくれ…)と手を合わせ心から祈るのであった。

 

中には(下腹が自分の推しを推し始めた)という噂を聞いて、声を上げてその場に泣き崩れたヲタクもいたという。

 

しかし当の本人はそんな事を全く知る由もなく、今日も今日とて推しメンの卒業公演へと足を運んでいた。

 

最後のMCを聞きながら「なんで辞めちゃうんだよ〇〇ちゃぁん…」と半ベソかきながら言葉を漏らす下腹の周囲には、(いやお前の推し方が重すぎたから辞めたんだよ)という周囲のヲタからの無言の思念が漂っていたが、そんな空気を察する能力ももちろんこの下腹にはなかった。

 

そうしてイベントが終わり、また一つの別れを経てしょぼくれた足取りで帰り道を歩く下腹。

自然とやるせない気持ちになり、誰に言うでもない独り言の愚痴が止まらない。

 

「あぁ~チクショウチクショウ!なんだって俺の推すアイドルばっかすぐ辞めるんだ!!散々『一緒にもっといい景色見ようね』みたいな事言うから、こっちだって純粋に応援してあげたいと思ってライブ行って特典会行ってTwitterもインスタもShowroomもツイキャスLINE LIVEもAbemaTVもアメブロもLINE BLOGもはてなブログもCHEERZもyellもGroupyもmystaも全部見て聞いてコメして課金してるのに何ですぐいなくなるんだよ俺はもう何を信じればいいんだよぉ!!!(超早口)」

 

そんな荒々しい独り言の合間、一瞬だけ生まれた息継ぎの空白に「ピロ~ン♪」という間の抜けた通知音が鳴った。

何かと思い下腹が自分のスマホを見てみると、急上昇中のはてブロ記事のオススメ情報が届いたようだった。

 

「なになに…アイドルを辞めた推しメンに会いに大阪に行ってきた話ぃ?はぁ?ふざけんなよ!どーせ毎日西へ東へKSDD三昧の癖にこういう時だけ『自分は推しメンがアイドルを辞めてからもこうして甲斐甲斐しく会いに行く優しくて純粋なヲタクですよ~(作り声)』みたいな謎アピールしやがって!偶然マグレでまとめサイトに取り上げられて一時的にビュー数伸びたからって調子乗ってんじゃねえぞ!自分に都合のいい事ばっか小綺麗に書きやがって!大体このお涙頂戴ブログがバズってから確実にネタツイの切れ味落ちたどころか、笑いでふぁぼ稼げない時に置きにいった綺麗事ツイートして不足分の承認欲求満たす悪癖まで付けやがって!受けようがスベろうが正面から『ネタツイ師』を自称してネタに生きネタに死ぬヒリついた毎日を送っていたあの頃のお前はどこに消えたんだよ!?独身時代散々遊んでおきながら結婚した途端に愛妻家キャラになって純愛を語り始める俳優かお前は!感性も体型も日に日に丸くなりやがって恥を知れ恥を!」

 

と、ムシャクシャした気持ちを当てつけるように何故か某特定個人をボロクソに叩く独り言が止まらない。

ついにヲタクが最も発してはいけないあの言葉を口にする。

 

「あぁ~あ、推しメン辞めちゃうしレスも来ないし…もう今の現場他界しようかな…」

 

【本当に他界する奴は『他界しようかな』とか言わない】というありがたい先人のお言葉通り、内心まったくそんな決意のなかった下腹だが、そう言った瞬間どこからともなく小さな人影が現れ、天龍と本間を足して2で割ったような聞き取りづらい声でこう囁いた。

 

『他界するな…オメェにはまだ、ヲタクとしての寿命がある…』

 

「うわビックリした!なんだジイさん!?アンタ誰だ?」

 

『ワシか?ワシは死神だ…』

 

「し、死神って…あのオレンジ髪でセリフが棒読みの…?」

 

『違うわ!一護でもマカ棒でもない!『なんで実写版の白哉がMIY〇VIやねん』とか言うな!こちとら漢字時代からのファンじゃ!』

 

「いや別に後半のヤツは言ってねぇけどよ…ってか死神って〇IYAVIとか聞くのか…いやそんなんどうでもいいわ!それじゃアンタ…ホントに死神なのか?」

 

『あぁ。その証拠に今日はオメェにいい話を持ってきてやった』

 

「いい話?」

 

『オメェさっき、今の現場を他界するとか言ってたな』

 

「あ、あぁ…それがどうしたんだ」

 

『情けねぇからそういうことを安易に口にするんじゃねぇ…離れたい時に離れて来たい時に来りゃいいものを、推しに気に入られたいがたいがためだけに都合のいいこと言って、勝手に自分を縛るルールを増やして自滅しやがって。結果知り合いのヲタクに無駄な心配かける上に黒歴史ツイートが増えるだけだ』

 

「あぁ…考えてみりゃ確かにそうだな…でもよぉ、俺はもう耐えられねぇんだ。あれだけ毎日ライブも物販も通ってんのに最前にいても全然レス来なかったり、俺だけふぁぼもリプ返も干されたり、挙句にゃすぐ夢だ学業だ繋がり解雇だと理由つけて次々と推しメンが卒業して行っちまったりよぉ…なんで俺ばっかり報われねぇんだ」

 

『簡単なことさ。それはオメェがオメェのことしか考えてねぇからさ。見返りを求めたらそれはもう応援じゃねぇ』

 

「知った口でもっともらしいこと言いやがって…それに、だったら俺にどうしろってんだ…」

 

『簡単なことさ。オメェはドルヲタ専門のカウンセラーになれ』

 

「は?カウンセラー?」

 

『そうだ。ちょうど今のオメェみてぇにヲタ活が上手くいかなくて気持ちがクシャクシャになっちまってるヲタクを訪ねて、話を聞いて気持ちをスッと落ち着けてやるんだ。そんでもって、その報酬として金を貰うって流れだ。』

 

「いや道理は分かるけどよぉ、俺に相談役なんて無理だぜ?病んでるヲタクの話なんて2秒も聞いてらんねぇよ」 

 

 『まぁ話は最後まで聞け。大抵病んでるヲタクには人の目には見えねぇ死神が憑いてる。その死神が憑いてる事が、ヲタクとしての死期が近く他界間際であることの証明なんだが、ある呪文を唱えることでコイツを退散させられる』

 

「なんだいその呪文ってのは?」

 

『<アジャラモクレン イエッタイガファイボワイパー イマキタバッカリー>と言ってからパンケチャを二回打て』

 

「なるほどな。なんかリリイベに遅刻してしか聞けなかった〇コンヲタクみてぇだな」

 

『まぁ覚え方はなんでもいい。しかし3つだけ注意しとくことがある。

 

【その1】ライブ中にチェルノ(※中の液体をこぼすこと)すると危ないから、テンション上がってもサイリウムはあまり振り回すな

 

【その2】病んでるヲタクに憑いてる死神はケチャもしくは背面ケチャをしてるんだが、呪文で退散させられるのはケチャをしている死神だけだ。背面ケチャをしてる死神は完全にキマってて手に負えないから絶対に手を出すな。

 

【その3】ライブでサイリウムを振る時はチェルノ(※中の液体をこぼすこと)しないように周囲をよく見て注意しながら使え。

 

以上だ。分かったな?じゃあ試しに一回呪文を唱えてみろ』

 

「いや1つ目と3つ目同じじゃんか。う~ん、どうも胡散臭いな。まぁいいや、試しに一回くらい付き合ってやるよ…えぇと、なんだっけ?たしか<アジャラモクレン イエッタイガファイボワイパー イマキタバッカリー>パン!パン!…と、こんな感じか?おい死神さん、これでいいのか?…ってあれ、死神さん?おかしいなさっきまでそこにいたのに」

 

気付くと下腹が呪文を唱え終わった時には死神の姿はなかった。

こうしてろくに自分のメンタル調整もできない癖に「ドルヲタカウンセラー」という時代を先取りしたフリーランス職に就いた下腹。

 

その後「やってダメなら逃げりゃいい。物は試しだ」と半信半疑ながらカウンセラーを自称して病んでるヲタクをネットで募集してみると意外にもすぐ連絡があり、直接会って話す運びとなった。

 

当日、いざ合流場所に着くと確かに相談者と思しき人物の背後に死神が憑いていた。

そして周囲を見渡すとどうやらその死神は下腹にしか見えていない様子。

更に先の話で聞いた通り、死神は相談者の後ろでひたすら虚空にケチャを打っている。

 

その様は見るからに血気盛んでつけ入るスキがなかったため、下腹はひとまず相談者の話を聞き、呪文を唱える機会を待つことにした。

 

「あ、どうも下腹です。あなたがDMをくれた…」

 

『あ、はい、『白銀の騎士~パラレルオーディン~』です』

 

「うん長い。名前に”~~”←コレ入れちゃうと色々システムが複雑になるよ?まぁいつでもカードゲームに参戦できそうで心強いや。じゃあ、ひとまず今日は『ハクちゃん』と呼ばせて貰うよ。で、ハクちゃんの相談ってのは何だい?」

 

『はい…今行ってる現場で推しメンが2人から先に絞れなくて…本人たちにも『結局どっち推しなの?』って迫られてるんですが、全く結論を出せずにいたら優柔不断だと怒られて、どちらとも気まずくなっちゃって…』

 

「なるほどね。確かにそいつは面倒だが気持ちは分かるぞ。ヲタクはアイドルの良いとこ見つけることに関してはプロだからね。同じグループに好きな子が2人できちまうのも分かる。だけどよ、だからって無理に結論出さなくていいんじゃねぇか?たしか俺の知り合いにも全く同じ状況になってテンパった挙句、『春夏と秋冬に分けて交代で推すわ』なんて謎ルールを作ったヲタクがいたんだが、事もあろうに夏が終わって推しが切り替わった瞬間にレギュが上がって現場モチベが下がり、そこからほとんど接触行かないまま秋冬が終わった結果、両推しのバランスが崩れて今だかつてなく気まずい状況になってたな。いいか?世の中にはそんな情けねぇ奴もいるんだ。相手に多少言われたからって、変にカッコつけて無理に結論出すのは違うと思うぞ。素直に『今は2人とも同じくらい好きだから、これから単推しにならざるを得ないようなライブを見せてくれ』って両方に言って、それからじっくり自分の本心に向き合うってのも悪くねぇんじゃねえか?」

 

『なるほど、たしかにそれはそうですね!』

 

と、意外にも親身に相談に乗った下腹の言葉で、悩んでいたハクちゃんの気持ちは少し晴れたようだった。

すると、ハクちゃんの後ろにいる死神が一気に弱ったように見えたので、下腹はすかさず教えられたとおりに呪文を唱えた。

 

『<アジャラモクレン イエッタイガファイボワイパー イマキタバッカリー>パン!パン!』

 

その瞬間死神はうめき声を上げて消え去り、ハクちゃんの目には神々しいまでの光が宿った。

 

『あれ?なんだか一気に気持ちがスッとしました!ありがとうございます!これほんの少しですがお礼です!』

 

下腹が手渡された封筒を受け取ると、それは手に持っただけで相当な額であることが瞬時に分かった。

そしてハクちゃんは、清々しい笑顔でそのまま次の現場へと向かって行った。

 

 

こうして見事に大金を手に入れた下腹。

 

「なんだこの金額!?世の中にこんなにラクな商売はねぇな!それに俺、自分で思ってたよりよっぽど聞き上手だな!」

 

と一気に調子に乗り、更なる大金を得ようとネットで次の相談者を即募集。

 

そうして立て続けに何人もの悩めるヲタクを救っているうちにウワサがウワサを呼び、またたたく間に有名になった下腹。

 

その名前は各まとめサイトからナ〇リー、果てには吉〇豪の口からも頻繁に出るようになり、完全なる時の人として時代の耳目を集め、日々病んでるヲタクを救いつつ大金を稼ぐ生活が続いた。

 

「だけどどんなに大金稼いでも今そこまで熱持って応援してる推しメンもいねぇしな~、そこまで現場行きたい感じでもねぇしなぁ~」

 

と、言いながらも結局他に行くところがないのでなんやかんや現場に来ちまうのが一般的なヲタクの土日。 

 

時にガチマジ、時にneo tokyo、時にプリンセス…と毎週様々な現場に出向き、見事なまでのKSDDぶりを見せる下腹だが『もし好きになっても、自分が応援することでまたいなくなってしまうかもしれない』というトラウマから臆病になり、なかなか新たな推しメンには出会えないまま月日が過ぎた。 

 

「もう一生、熱心に応援できる推しメンには出会えないかもな…」

 

そんな哀愁を漂わせながら、ある日なんとなく見にきた無銭フェスで少しだけ気になった子がいたのでこれまたなんとなく個別握手に並んだ下腹。

 

下腹「こんにちは~」

アイドル『え、もしかして下腹さん!?』

「え、なんで知ってんの?」

『知ってるよ!この前ネットニュースに出てたもん!悩めるヲタクを救う天才カウンセラーヲタクだって!え~会えて嬉しいなぁ♪来てくれてありがとう♪』

「えwあwそれほどじゃないけどw」

『自分の事だけじゃなくて、他のヲタさんの楽しいヲタ活をサポートできるなんてすごいよ!ほんと尊敬する!』

「そんなことないよ、それに君だってライブで色んなヲタクを笑顔にしてるじゃん。やり方は違うけど同じことしてるだけだよ」 

『あ、そうだね!じゃあサポート仲間だね♡』

「そ、そうだね…///(ヲタクスマイル)」

スタッフ(お時間まもなくで~す)

『あ、また来てくれる?』

「うん、でも…俺が推すと…」

『知ってるよ。死神って言われてるんでしょ?私がアイドル辞めないでそのジンクス覆すから、よかったらこれから応援して?』

「う…うん!分かった!あの君、名前は?」

『私、押見忍子(おしみおしこ)!『忍子に推し込み惜しみなし!』って覚えてね♡』

「忍子ちゃん♡うん、わかった♡」

『またね♡(両手振り見送り)』

(お時間でーす)

 

・・・

 

【その日の帰路】

 

「あぁぁぁぁぁぁあぁぁああああ忍子しかぁぁぁぁぁぁぁぁああああああ」

 

やっぱりこうなった下腹。

たった数分の握手でサ〇ウのごはんより簡単かつホカホカに出来上がった。

 

帰り道では終始この某オクタゴン級の咆哮で街中を騒然とさせ、「世界よこれが限界だ」と言わんばかりにモチベのフルテンを振り切ったテンションで、初号機や山〇孝之を軽く凌駕する愛を世界の中心から叫び散らした。

 

その後カウンセラーで稼いだ金を全自動で忍子につぎ込んでいく機械と化した下腹は、

 

『ライブ中見えてたよ♡』

『私のことだけ見てて?♡』

『下腹さん来てくれるとライブ盛り上がるんだ♡』

『ブログコメ読んだよ!超嬉しかった♡』

 

などの接触教科書3ページ目にある基本技でいとも簡単にメンタルを極められる程には忍子に入れ込み、たった数か月ですっかり愛の奴隷となっていた。

 

「あぁ忍子ぉ…忍子ぉ…俺もう忍子なしじゃ生きてけないよ…やばいもう2日も会ってないムリ限界〇ぬ早く現場行かなきゃ…」

 

と、ヤクでも切れたようなテンションでのたうち回っていると、不意にあることに気付く。

 

「あれ?金って、もうこれだけしかなかったっけ?」

 

忍子に出会ってからというもの、先の事を考えず常に特典会の持ち時間いっぱいまでフルスパークで積み続けてきた下腹。

当然その持ち金は既に底をついていた。

 

「マージか、メンドくせぇけど久々にカウンセラーやんねぇとだな…」

 

そうして再度ネットでヲタクカウンセリングの募集をかける。

多少間は空いてしまったが、それまで順番待ちができるほどに人気だった下腹のカウンセリング。いくらなんでもそうすぐに人気が下火になることはない…などという下腹の思惑はスタバの新作のよく分かんねぇイチゴのヤツくらい甘かった。

 

数日待っても相談者はゼロ。

焦った下腹がエゴサをすると、(話題になった途端カウンセリングの回数がめっきり減ったし今までの相談者は全員サクラだったんじゃねぇの?)などという憶測が飛び交い、かつてのカルト的人気から一転、既に『ヲタクカウンセラー下腹』の名前は仁義なきインターネットの世界に転がる薄汚れたサンドバックの一つとなっていた。

 

「ってか”ヲタクカウンセラー”って何?w」

「あいつドヤ感出してくる割にツイートつまんないよねw」

「ってかブログ長すぎじゃない?暇人乙www」

 

等々…心無い書き込みも多数見られ、もはやかつての盛り上がりの面影すら残らない程に周囲からの評価は冷めきっていた。

 

こうしてなかなか相談の来ない日々に、下腹はイラ立ちを募らせた。

更にやっと依頼が来て相談者に会いに行くも、憑いている死神が背面ケチャで手出しできないことが続き、下腹のイライラはもはやピークに達していた。

 

「あぁチクショウ!!なんでまともな病みヲタクが来ねぇんだよ!どいつもコイツも背面ばっかだし、オマケにネットじゃアンチが好き勝手言いやがって!!あぁイラつく!!いや、だけどそんなことより…」

 

叫びながらスマホを取り出し、接触のログを遡る下腹。

気付くと最後に忍子に会ってから、すでに数か月が経過しようとしていた。

 

「あぁ一刻も早く忍子に会いに行かないと本当に認知切れるぞ…いま忍子のグループ人気出てきてヲタク増えてるし、やっといなくならない推しメンに会えたってのに今度はこっちがいなくなってんじゃねぇか…忍子の認知切れたら俺は…俺はもう…」

 

頭を抱え小刻みに震える下腹。

(いや普通に働いてヲタ活費稼げばいいじゃんw)みたいなネタブログの本質を真っ向から否定しかねない読者の声も、もはやその耳には届かない。

 

するとそこに一通のDMが届いた。

内容を確認すると、それは待ちに待ったカウンセリングの依頼。

しかもその送り主は、業界随一の天空レギュレーションでお馴染みの『意地のコンプライアンスガール』、通称『意地コン』の超絶金持ちTOからの物だった。

 

なには友あれ速攻で面会をセッティングする下腹。

初対面の挨拶もほどほどに、道玄坂はなの舞でオムそばをワケワケしながら早速本題を切り出した。

 

「改めてはじめまして、下腹です。えぇ~っと、たしかお名前は…」

 

『はい、『金色の騎士~ゴールドカードエクスプレス~』です』

 

「アレもしかして兄弟?まぁいいや。長いのも”~~”も慣れてるからスルーするよ。やっぱ金持ちだけあって名前も豪華だし適度にふざけてていいね。まぁとりあえず今日は『コンちゃん』って呼ぶよ。そんなことより本題なんだけどさ、相談ってなにかな?」

 

と言いながら横眼でチラっとコンちゃんの背後を確認すると、残念ながらそこには尋常じゃないテンションで背面ケチャを打つ死神の姿が。

 

ガックリ肩を落とす下腹にも構わず、コンちゃんは淡々と語り始めた。

 

『いやね…今僕が推してる子についてなんですけど、僕はその子を加入当初から推してて、それ以降現場も全通してるんですよ。常に最前列でライブ見てきたし、特典会に行かなかった日もありません。なのに…なのに…推しメンの奴、最近ついた若くてイケメンなヲタクにばっかりレス送るんですよ!それだけじゃない…リプ返もアイツだけ長文だし、アイツとの接触はいつも盛り上がってるし、そんな様子を傍から見てると俺…悔しくて…やりきれなくて…』

 

「あーそうですか。それはそれは。大変でしたねー」

 

死神が背面と分かるや否や帰りたいオーラを全身から放つ下腹。

もはやまともに話を聞く態度ではない。

 

「じゃあとりあえずもうその子はイケメンに譲って、他の推しメンを探せば…」

 

『そんなこと出来るわけないじゃないですか!!!!!(オクタゴン咆哮)』

 

「いやそんな言われたって…(痛った…鼓膜破けたんじゃねぇのコレ?)」

 

『あの子は…あの子は俺の青春なんです…。それに、俺はもうあの子の一番になんてなれなくていい…だからせめて…せめてもう一回、初対面の頃の素直な気持ちでまたあの子に会いに行きたいんです。こんな嫉妬にまみれた醜い顔で会いたくないんです。お願いします。俺のメンタルをどうにかしてください。もし叶えてくれたら…(耳打ち)億円払います』

 

「え?(耳打ち)億円?…マ?」

 

『…マ。』

 

少しイラっとくるドヤ顔で略語を返すコンちゃんの目には、揺るがない決意の炎が灯っていた。

ここで下腹は一気に思考を巡らせる。

 

「(いや確かに(耳打ち)億円は欲しいけど…でも死神が…アイツが背面じゃ何の手出しも…背面じゃ…背面じゃ…ん?)」

 

と、そこである閃きが脳裏を走る。

 

「(背面じゃダメなら、背面じゃなくせばいいんじゃ…?)」

 

天啓とも思しきアイデアを得て一気にテンションの上がった下腹は、まずは死神を弱めるために、会話を通して全力でコンちゃんを励ますよう努めた。

 

「いいかコンちゃん?いくら口では平等と言ったところでアイドルだって人間だ。ヲタクの美醜や老い若いで差別が出るのはしょうがない。しかしだ、美醜は置いとくにしても若さってのは万人に平等だ。いま各界隈のオッサンが満面の笑みで応援してるJKもJCもJSも〇歳児も、いつか必ずババアになる。そのイケメンだっていつか必ずオッサンになる。それにコンちゃんだって、かつてそのイケメンくらい若い時期があったはずだ。平等なんだ。だからそれは羨むものじゃない。子供は大人に憧れて、大人は若さに憧れる。いつだってないものねだりだ。だからそこで相手の持ってる物を羨むんじゃなくて、他の奴にできなくて、自分が推しメンに還元できるものは何かと考えるんだ。ヲタ活は他のヲタとの競争じゃない。常にレーンは一つだけ。スタートは自分で、ゴールは推しメンの笑顔だ。当然「ヲタ歴が長いから偉い」というわけじゃないが、長く活動するグループの現場を作ってきたのは間違いなく結成当初から応援してきた古参だし、そういう古参がいたからこそ現場が続いてそのグループが新規まで届く。それに新規は新規で、現場がマンネリ化しないよう新しい風を吹き込んでくれる。だから偉い・偉くないじゃなく、どちらも必要なんだ。自転車の両輪みたく、両方ないといけないんだ。だから、コンちゃんもそのイケメン新規の彼に敬意は示しても決して嫉妬なんかしちゃいけない。そもそも同じ子を推してる同志だ。一度話してみればいい。きっといい酒が飲めるはずだ。」

 

『うっ…うっ…』

 

3秒で適当に考えた下腹の演説にまんまと胸打たれたコンちゃんが静かに泣き始めた。

大粒の涙が卓上のレモンサワーに一滴、また一滴とこぼれていく。

 

「だからな。(推しメンにとって自分は必要ないんじゃないか?)なんて思わずに、ただ(会いたい)ってだけの気持ちで会いに行けばいんだよ。そこに新規も古参もイケメンも関係ない。接触の数秒だけは常に自分と相手、コンちゃんと推しメンだけの世界だ。」

 

と、捲し立てながら下腹が死神を見ると、コンちゃんのモチベ上昇に伴い苦しむようにうめき声を上げながらその動きは次第に鈍っていった。

 

『すいません…ちょっとトイレに…』

 

そうしてコンちゃんが席を立った瞬間、「しめた!」と思った下腹は反り返ったまま虫の息で背面ケチャを打つ死神の両肩を、リフトを壊す時のボ〇ズよろしくガシッと掴み、そのまま力づくで半回転。

 

そうして実力行使でムリヤリ死神を通常ケチャの体勢にした下腹はここだと言わんばかりに…

 

「<アジャラモクレン イエッタイガファイボワイパー イマキタバッカリー>パン!パン!(超早口)」

 

『ウギャアアアアアアア』

 

途端、下腹にしか聞こえない断末魔の叫びを上げながら死神は消え去った。

少ししてトイレから戻ってきたコンちゃんは、

 

『下腹さん聞いてください!!!なんだか僕、いきなり気持ちがスッキリした気がして…』

 

「みなまで言うな。そのスッキリがトイレによるものじゃないって事は分かってるよ。たしかにコンちゃんのメンタルを整えたのは俺だけど、俺はあくまでキッカケをつくっただけに過ぎない。コンちゃんが自分を乗り越えられたのはコンちゃん自身の力だし、なにより推しメンへの愛の力だ。」

 

『下腹さん…(泣)』

 

「だからな…ほら、そんな湿っぽい涙なんか拭いて、今夜は朝まで飲もうじゃないか!」

 

『下腹さん…ありがとうございます…それじゃこれ、忘れないうちに渡しておきますね。(耳打ち)億円の小切手です』

 

「スッ)…あ、うん、ありがとっ。あっ…あ~!ごめっ…そういえば今日ちょっと俺あの、この後用事あったんだわ…ごめん、だからちょっとあの~オレ、あの、先帰るね!」

 

『え?いやさっき朝まで飲もうって…』

 

「あ、ほんとゴメン、冷静に考えたらそろそろ終電だしやっぱ今日はヤバイかなって。じゃこれお金ここ置いとくから。うん。あ、さっきのたこわさキャンセルしといて。じゃあね!」

 

そう言って貰うもんだけ貰ってさっさと店を出た下腹。

久しぶりに弾むような足取りで道元坂を下る。 

 

「フゥ~!!!にしても俺はなんて天才なのかね!背面で手出しできなけりゃ肩持ってクルっと回して正面にしちまえばいいって、なんでもっと早く気付かなかったかねぇ。しかしここぞの大一番でそれに気づいてこうして大金手に入れる辺り、やっぱり俺ってツイてるね!あはは!あははははははは!」

 

『たしかにオメェにゃ憑いてるぞ』

 

「うわビックリした!なんだアンタか、脅かすんじゃねえよw」

 

下腹が声の方へ振り向くと、そこには最初に会ったあの死神が立っていた。

 

「いやそんなことより聞いてくれよ死神さんよ!俺ったらツイてるっていうか天才っていうかさ、さっきあそこの飲み屋で大金を…」

 

『全部見てたから分かっている。ったく…とんでもないことをしやがって…オメェちょっとこっちに来い』

 

「うん?なぁ~にイラついてんだよ死神さんw」

 

『いいから黙ってついて来い…』

 

「終電までには帰してくれよ?w」

 

そう言われ浮かれた下腹が死神に付いて行くと、次第に周囲は暗くなり、足元を確かめるのがやっとというほどに視界が悪くなってきた。

 

「おい死神さんよ…こりゃ一体、どこに向かってるんだ…?」

 

『じきに分かる…ほら着いた』

 

急な段差や坂道を恐る恐る進んで着いた暗い洞窟の中には、無数の細い光が見えた。

辺りには低く不気味な振動音も響いており、それまで浮かれていた下腹も、徐々に血の気が引いていった。

 

「おいなんだここ…まさか…この世の地獄なんて言うんじゃ…」

 

『いや、渋谷Gradだ』

 

「いや近場かよ!どうりで階段急だしトイレのドアが宙に浮いてると思ったわ、、、じゃあこの振動音は…」

 

『ああこれか、『SURVIVE』だ。昔から好きなんだ。』

 

「いやMIY〇VIかよ!!なんで死神の推し曲が『SURVIVE』なんだよ!SURVIVEさせる気ねぇだろ!、、、ってなんだこの光…ん?サイリウム?」

 

よく見るとすり鉢状の渋谷Grad内には無数の使い捨てサイリウムが立っており、色とりどりの光を放っていた。

 

『見えるか?このサイリウム一本一本はオメェらドルヲタの寿命だ。モチベの高いヲタクのサイは強く明るく光ってる。逆に、他界もしくはヲタ卒が近い病みヲタクのサイは光が今にも消えそうに弱々しいだろ?』

 

「ふ~ん、なるほどねぇ。ちなみにこのサイの色って、」

 

『無論、推しメンのイメージカラーだ』

 

「やっぱりね。じゃあマーブル色に光ってるのはKSDDってわけか。お、このサイリウムずいぶん明るく光ってるねぇ」

 

『それはオメェが最初にカウンセリングした白銀の~』

 

「あぁ、ハクちゃんな」

 

『そう、ハクちゃんのだ。アイツはあの後男らしく2人のうちの1人を推しメンに決め、二推しの子にも誠実にそれを伝えた結果、両方と以前より仲良くなり最高に上手くいっている。今は推しメンの生誕委員にも関わっているようで、天を突くほどの高モチベだ』

 

「なるほどねぇ、そいつぁ良かった。そりゃこんだけ見事なウルトラオレンジにもなるわけだ。お、その隣にあるコイツは、もう見てて悲しくなるほどに光が弱々しいねぇ、ホントに今にも消えそうだ」

 

『お、数ある中からそいつに気付くとは奇遇だな。そいつはオメェの寿命だ。』

 

「なるほどねぇ、こいつが俺の寿みょ…え!?死神さんいま何て言った?」

 

『だから、その今にも消えそうなサイが、ドルヲタとしてのオメェの寿命だ』

 

「いやっ、そ、そんなバカなwだ、だいいち最初に会ったあの時、「オメェにはまだ寿命がある」って言ったのは、死神さん、アンタじゃねぇか!?」

 

『だからオメェはバカなことをしたというんだ。いいかよく聞け?あれほど背面ケチャの死神には手を出すなと言ったのにオメェはそれを無視してまんまと大金をせしめた。オメェはあの時、あのTOと寿命を取り換えちまったのさ。見てみろ。その隣に強く光ってるサイリウムがあるだろう?それが今朝までのオメェの寿命さ。もっとも、取り換えちまった今はあのTOのだけどな。フ…フフ…ハーッハッハッハ』

 

「いや、そ、そんな…あっ!でも!でもよ!俺ァ見ての通りこうして体もピンピンしてるし、忍子…いや推しメンに会いたいっていうモチベも燃えるようにある。なんだい、一個も他界やヲタ卒なんてしそうな要素が見当たらねえじゃねぇかw」

 

『哀れだなぁ…オメェ、ヲタクの他界がそいつ自身のメンタルの問題だけで起こると思ってんのか?いいか?他界やヲタ卒の原因なんて挙げりゃキリねぇくらいいくらでもあるんだ。異動、転勤、結婚みてぇな生活環境の変化から、推しメンの活休、卒業、繋がり解雇と理由なんていくらでもある。仮にオメェにモチベと財力があったところで、空がなけりゃ鳥は飛べねえし、現場が無けりゃヲタクは積めねぇ。あとな、もし(そのサイリウムの光が消えてもまた新しい現場で他の推しを見つければいいや)なんて思ってるんなら甘いぞ。そのサイの光が消えるってことはオメェのヲタクとしての全ての寿命が終わるってことだ。今後いくら現場変えようが推し増ししようが、ヲタクやってる限りオメェには永遠に悲しい結末が待っている。要するにジョジョ5部で言うディアボロみたいになるってこったな』

 

「そ、そんな…なんで俺だけ…なんで…」

 

とうとう膝から崩れ落ち泣き出した下腹。

それを見下ろすように死神は続ける。

 

『最初に会った時も言ったじゃねぇか…オメェはオメェのことしか考えてねぇ。見返りを求める応援は応援じゃねぇってよ…。オメェは一度でも相手のことを思ってカウンセリングしたことがあったか?あのハクちゃんも、いままで治してきたヲタク達も、そんでさっきのTOも、一度でも金目当てじゃなく純粋に助けてやりてぇと思って話を聞いたことはあったか?』

 

「うっ…うぅ…」

 

『まぁいい…俺もそこまで鬼じゃねぇし、何も命まで盗ろうって話じゃねぇ。どれ、オメェに一つチャンスをやろう。その今にも消えそうなサイリウムを中身がこぼれないように…要するにチェルノしないように分解し、この新品のサイに移し替えてから更に新しい溶液を入れて混ぜ合わせろ。一滴もこぼさずに全ての工程をクリアして、無事新しいサイを光らせることができたらそれがそのまま寿命になり、オメェはヲタクとして生き永らえる。』

 

「てっ、てめぇ…さてはこの展開を見越してあんなに不自然な流れでチェルノの説明してやがったな!?」

 

『フフ…文章力のない筆者のせいであれだけ悪目立ちした伏線に、ここまで気づかないとは愚かな奴だ。どうだい?ワシはこのままオメェのサイがただ消えるのを見ててもいいが、一応移せるかやってみるかい?』

 

「う、うるせぇ!…貸せっ!」

 

『おうおう乱暴なこった。そんなに慌てるとこぼすぞ?こぼすと切れるぞ?認知が切れるぞ?』

 

「うるせぇ黙ってろ!!やっと忍子に会いに行ける金ができたってぇのによぉ…俺はこんな所じゃ終われねぇんだ…レスも目線も推されもふぁぼもリプ返も全部オレにだけくりゃあいいんだ…ちくしょう、見てろよ…あっ、垂れる…っ…あ…クソッ!チクショウ…目に汗が入りやがる…も、もうちょい…あとちょっと…これを、…こうしてっ…あっ、で…できた!」

 

『え?』

 

「や、やった!移せた!移せたぞ!どうだ死神!!!一滴もこぼさずに移せたし、新しいサイもこんなに力強く光ってらぁ!!!」

 

『え…マ?』

 

「マ!!!!」

 

途端、先ほどまで終始いやらしい笑みを浮かべていた死神の顔から、余裕の色が消えていった。

 

『いやー…おかしいな。これあの~、一応できない予定っていうか…あのー、そういう段取りになってたはずなんだけど…その移し替えだって、めっちゃ難しい設定になってたし、できるわけないと思って渡したんだけどなー…っていうか、ついでにぶっちゃけると、それ今度新しくヲタデビューする大学生用に預かってたヤツだからできれば返して欲し…』

 

「バカ言え!へっ、ざまぁ見やがれ!このサイは俺が一生肌身離さず保管するからよ!もうオメェみてぇな気味悪い奴には一生触らせねぇよ!そうと決まればもうこんな所に用はねぇ!あばよ!」

 

そう言って一目散に出口へと走り出す下腹。

 

『ま、待て!それを盗られたら俺は死神協会から怒られる…ッ!』

 

「知ったことか!いい気味だぜ!」

 

『せ、せめて1D代だけでも置いていけ…っ!!ヲタクとしてのマナーを守れっ!』

 

「ふん、どの道もう会う事もねぇだろうからな!冥途の土産にくれてやるか、ほらよっ」

 

(チャリーン)とカウンターに500円玉を放る下腹。

 

『待て!今のGradは1D代600円だ!もう100円置いてけ!待てっ!待て~!!!』

 

 

こうして夏フェスの現場回しで鍛えた自慢の脚力で、いとも簡単に死神を撒いた下腹。

まんまと盗った新しいサイは肌身離さず持ち歩き、今もそのポケットの中から力強い光を放っている。

 

 

・・・

 

 

後日、とうとう待ちに待った日がやってきた。

 

実に数か月ぶりに忍子に会うべくイベに来た下腹。

自己中全開で騒ぎ散らしたライブもそこそこに、ついにお待ちかねの特典会へ。

 

スタッフ(次の方どーぞー)

ゲ「忍子ぉぉおおおお」

忍『あぁ~下腹さぁ~ん、なんでずっと来てくれなかったの?他界しちゃったのかと思って私ずっと泣いてたんだよ?』

「ごめんな…ずっと会いたかったけど会いに来れない理由があって…ってそんなことより!」

『なに?』

「久々にきたらお客さんめっちゃ増えてるじゃん!やっぱ忍子はカワイイからなw俺が来てない間だって、実際そこまで寂しくなかったんじゃ…」

『そんなこと…ないよ…っ…』

「え、忍子、なに泣いてっ…!」

『私、下腹さんが来てくれるのずっと待ってたよ…こんなに応援してくれてる下腹さんのこと武道館に連れていって、『ほらね、下腹さんは死神じゃなかったでしょ?』って言うの、私の夢なんだよ?』

「お、忍子…」 

スタッフ(お時間まもなくでーす)

「忍子…ごめっ…俺…オレっ…」

『もう…しょうがないからぁ、この後ループしてくれたら許すっ♡』

「忍子ぉォぉおおおお♡♡♡」

スタッフ(お時間でーす)

 

こうしてまたも秒でテンションの極地に至った下腹。

ド〇リアさんより赤い顔で喜び勇んで再度列の最後尾へ付くと、ほどなくして再び下腹の番がやってきた。

 

スタッフ(じゃ次の方ここで特典券もらいまーす)

下「あ、はいはい。あれ、どこしまったっけな…」

 

ゴソゴソ…ポロっ…パシャ

 

「ん?」

 

見ると、下腹がポケットから券を取り出した拍子に、使い古しのサイリウムを落としたようだった。

 

そのサイリウムは締まりが緩かったのか、床に落ちた衝撃でキャップの部分が外れ、中から液体がこぼれてしまっていた。

 

「(あれ?このサイリウム…なんだっけ?)」

 

元々オツムもアイコンも鳥頭な下腹。 

自分が落としたサイがなぜポケットに入っていたかなど既にスッカリ忘れていたし、最愛の忍子を前にして、今はそれどころじゃなかった。

 

「あ、すいません!」

 

スタッフ(あ、大丈夫ですよ。こっちで掃除しとくんで)

 

「申し訳ないです、、、じゃ、お言葉に甘えてw」

 

 

そうスタッフに軽く会釈をしたのち、券を渡してから愛しの忍子の前へ。

 

「忍子~♡さっきの話のつづきなんだけどさ~♡」

 

そう浮かれた調子で話しかける下腹を見つめながら、潤んだ瞳と優しい笑みを浮かべつつ、忍子は真っ直ぐこう言った。

 

 

 

 

 

 

『はじめまして!』

 

 【終】

 

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「AISメンバー紹介」使用動画まとめ

 

 

 

全編で使っている「こいしょ!!!」MVについては、ここでの紹介をもって省略します。

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【目次】

 

 

橋本麗愛(はしもとれな)

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関澤朋花(せきざわともか)

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磯前星来(いそまえせら)

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朝熊萌(あさくまもえ)

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島崎友莉亜(しまざきゆりあ)

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栗原舞優(くりはらまゆ)

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徳久陽日(とくひさはるか)

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エンディング

 

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最近気になったアイドル6組

「シャッフルやぁ~~~!!!!」

 

ってなわけでこんにちは。グラビアDVDランキングの週だけランク王国を予約録画しているゲバラです。はい。では早速冒頭ワードについてなのですが、はい。そうですね、皆さんご存知の映画『カイジ~人生逆転ゲーム~』における限定ジャンケン中の船井(山本太郎)の名セリフですね。

 

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え?知らない?マジすか!

じゃあザックリ説明すると、「一枚に【グー・チョキ・パー】のどれかが書かれたカードを使ってジャンケンをする」というゲームの終盤において、参加者内で徐々に互いの持ち札を読めてきたことから、『自分に勝負を持ちかけてくる=相手に勝算がある』という疑心暗鬼が生まれ、誰も勝負に出なくなったまま状況が膠着。そこで再びゲームを動かすため『全員の手札を混ぜてから再配布し、互いの持ち札が分からない状態にリセットして進行を促そう』という提案が先の発言となります。

 

まぁ映画本編に興味が出た方は何らかの方法で見てくださいって感じなのですが、僕が言いたい事はそこではなく、要するに「これって今のアイドル業界に似てんな」って事です。

 

ちなみにここでは特定個人の話をする気はさらさらないのですが、最近はいよいよ数字や坂だけに飽き足らず最終偶像的な壮大プロジェクトまで持ち出して現行の中小規模グループを本格的に潰そうとしているように見える(※個人の見解です)某特定個人さんについて、一連の動きを遠巻きに見ながら「このままだと独自路線で面白い事やろうとしてる中間層が徐々に追い詰められていきそうでヤバいなぁ~」と足りないオツムなりにうっすら感じております。とはいっても下手な事して叩かれるのは怖いので、とりあえずお子様ランチサイズから至極ミニマムに反旗を翻していこうと思い至り今こうしてまとまりの無い文章を書いている不肖僕です。水と句読点はセルフサービスでどうぞ。

 

また一年で一番解散・卒業の多いであろうここ数か月の話をすると、改めて色んなヲタクが色んな推しや箱を思って涙を流した時期だったのではないかと思うのですが、もしメンバー・運営・事務所側にまだやる気がある上に売れるだけの魅力や可能性があるのにそのチャンスが回ってこず、大衆に知られる前に余力が尽きてそういう決断をせざるを得ない状況になってしまったグループがあったとしたら、非常にもったいないなぁと思う今日この頃です。ゴッホだってどうせなら生きてるうちにチヤホヤして欲しかっただろうし。

 

そんな状況の中で、パッと見アイドル業界全体が痩せ細ってきた焦りから、各界隈のヲタクに『自分の推し箱だけはなんとしても売れて欲しい。生き残って欲しい』みたいな必死な空気が出てるような気がします。結果、自分の推し箱の宣伝に必死で他所を見る心の余裕がなくなって互いに『こっち見に来てくれよ(俺はそっち見に行かないけど)』的なスタンスになってる閉塞感があるなぁ~、って感じたところから冒頭の話に戻ります。

 

そうして再度強く言いたいのが『シャッフル』です。ちなみに空鍋じゃない方です(※このネタ通じた方は近いうちに飲みましょう!)

 

まぁ散々前置きしましたが僕の思う『シャッフル』は、ヲタクが主現場を大事にしつつも適度に双方向を向いて流動的になることです。少なくとも各自が自分の推し箱の今後にビクビクしてヲタク全体が閉塞的になるより、色んな現場の色んな魅力を知って互いに外に発信していく方が良いんじゃないかなぁ~という安直な思い付きです。それに伴って『一般人をドルヲタに引き込む』という動きが各所で活発化していけば痩せ細ったパイも徐々に増えていくのではないでしょうか。

 

ってな訳でドルヲタ各位、今こそDDを極めましょう。いつまでもお互いに「ウチ見に来て」って言ってたら埒が明かないのでいっそ逆にこっちから出向きましょう。厚意は受けた相手にこそ返したくなるものだと思うので。そして主現場はもとより、主現場以外のグループに感じた魅力をこそバンバン語っていきましょう。パッと見のインスピレーションと聞きかじりの浅い知識を一つも恥じることなく、心に『ド新規バンザイ』の旗を掲げつつ本能に身を任せて『好き』の濁流に飲まれましょう。

 

ということで今回は、僕が主現場以外で最近気になったグループを6個紹介します。浮気現場用の旅〇るぶだと思って気軽に読んでくれたら嬉しいです。あと逆に皆さんのオススメグループをコメントとかで教えてもらえると更に嬉しいです。ただ先も言った通り今回紹介するグループに関して自分は本当にド新規なので、以前から各現場に通ってる方からしたら色々薄味で物足りないでしょうが何卒ご容赦ください。でもなんやかんや言ってヲタクって自分の推し箱が新規にどう思われるのかめっちゃ興味あるでしょ?(←急に慣れなれしくなるタイプのコミュ障)

 

まぁ単推しさんのオススメよりDDさんのオススメの方が数見てる分説得力ありますからね。DDは必要悪だよね推しメン(※ブログでネタにする一周回った配慮ありがとな推しメン)

 

 

 

 

①クマリデパート

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【実績】

ライブ:3~4回行った
接触:個別チェキ2~3回撮った

 

【所感】

「曲いい・ライブ楽しい・MCほっこり」が第一印象でした。あと皆カワイイけど特に僕の心をアンロックしてくれた優雨ナコちゃんに紫綬褒章あげたい。

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いや僕は断じてロリコンじゃないのですが好きになった子が偶然ロリ寄りだったという時系列でここは一つご納得いただきたい。というか個人的な話をすると自分が鼻低いからか昔から高くて綺麗な鼻筋に無条件に引き寄せられる傾向があるんすよね僕。なのでご覧の美形っぷりのナコちゃんも例に漏れずその方面から引き寄せられた気がします。接触はなぜか絶妙に認知が生まれない約一ヶ月間隔で今まで3~4回ほど行ったんですが、いやなんかもう近くで見るとマジでお人形さんみたく綺麗で「あぁ~、かぁわぃ~(蒸発)」となったんですが何よりあの鼻筋を近くで拝めるだけでチェキ代は全然ペイできてるなぁ~とか思うし、若干日によってテンション違う感じがすごく人間味あって良いしノってる時にめっちゃ喋ってくれたりすると「あぁ~、かぁわぃ~(蒸発)」となってとてもありがたいですね(涅槃顔)

 

あと前回の2チェキ撮影時に現在ヴィレッジヴァンガード渋谷本店にて絶賛発売中の優雨ナコミニ写真集「花はずかしいキミ」(※宣伝)を即購入して持っていって、本人に『どの写真がお気に入り?』と聞いていくつか好きなショットを教えてもらっていた際、歯を出して笑っている写真の話題になったことから『私よく八重歯に間違われるんだけど、ここの歯が細いだけで八重歯じゃないんだよ。ほら』とナコちゃんみずから口を開けて歯列を見せてくるという大事件があり、その時僕は化物語の歯ブラシ回を思い出しながら咄嗟の衝撃に卒倒しかけたというかマジでちょっとどうにかなりそうだったというか、一瞬自分が傍聴席で号泣する家族の前で法廷に立ってるヴィジョンすら見えたのですが、なんとかこれまでのリアル兄人生で培った健全な人メッキを精神に塗り直し『あー、ほんとだ!八重歯じゃないんだね。でもやっぱ歯出して笑ってるのもカワイイね!』とギリギリのところで人間性をつなぎとめたので皆さんどうぞ褒めてください。

 

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とにかくひろしも恭平もビックリのあぶない接触になりましたことをここにご報告いたします。ライブ楽しいし4/11には新アルバム発売、4/15には初ワンマンもあるらしいので気になった方は見にいってみては~(公式スケジュール

 

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【追記】

と、このブログを書いている途中でメンバーの羽井リサコちゃんの卒業発表がありました。3人グループから1人抜けるって本当に大きな事だし、それでも続けると決めた2人と、このタイミングで卒業を決意したリサコちゃんがそれぞれ別の道で幸せになってくれることを願います。リサコちゃんは5月の卒業公演をもってグループを脱退予定で、それに伴い新メンバーのオーディションも始まるようです。3人の微笑ましい掛け合いMCが見られなくなるのは寂しいですが、曲もライブも良いなと思うグループなので今後も期待してます。

②uijin

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【実績】

ライブ:1回見た
接触:行ったことない

【所感】

uijinさんはなんとなく名前は知っていたのですが「たぶん激しい系なんだろうな~」ぐらいの印象で止まっており、そこから特に調べたり現場に見に行くような事はありませんでした。また自分の主現場のAISがちょっと毛色違うので今まで対バン等でも見る機会に恵まれてこなかったんですが、ある日この方のブログを読んで急激に興味を持ちました。

 

garchomp0816.hatenablog.com

 

僕自身が元々「声ヲタ→ドルヲタのジョブチェンジの難しさ」についてなんとな~く考えてたこともあって、そのものズバリの内容だった過去記事も興味深く(笑いながらw)読ませて貰ったんですが、このブログも本当にウォータースライダーを滑るようにスラ~っと読めてめっちゃ面白かったです。

 

「自分がセンスあるなぁと思う人の好きな物=センスいい」が持論なので、これだけ読ませる文章を書かれる方の琴線に触れるグループなら気になるなぁ~ということで、対バンに絡めてライブを見てきました。日付で言うと3/17(土)。白金高輪で行われたDDDですね。

 

ライブはメンバーのりんちゃんが入院中のため不在だったのですが、グループってそういう手負いの時こそ地力が出るものだと思ってるので、変にモチベが下がることもなくむしろ前のめりで見てきました。そしたら舞台もフロアも熱量凄いし曲カッコいいしで初見なのにかなり心を突き動かされる血の通ったライブでつくづく「この時間まで残っててよかったぁ~」となりました。あとMCしてたありぃちゃんが見た目の印象と反してめっちゃ丁寧に礼儀正しく話してたのを見てオジサンものすごく感心しました(す~ぐ髪色で判断しがちヲタクでごめんなさい。中ジョッキでドブ水飲んで反省します)

 

まだほとんど曲も分かりませんがこれからちょいちょいライブ行きつつ徐々に覚えていきたいと思います。んで接触とか行ったらまたTwitterにレポとか上げるかもしれないのでお楽しみに。

 

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【追記】

これもこのブログを書いている途中で入った情報なのですが、先述したメンバーのりんちゃんが無事退院したそうです!よかった!

 

本格復帰はまだ様子を見ながら調整するらしいですが、近いうちにフルメンバーのライブを見られるのを楽しみにしてます! 

 

③アリエルプロジェクト

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【実績】

ライブ:2回
接触:2回

【所感】

今や推しメンは世界に作る時代です。ここで紹介するアリエルプロジェクトは中国・香港発のアイドルグループです。メンバーは香港在住で、イベントの開催に合わせて日本に来て活動しています。僕がこのアリエルプロジェクトを知ったキッカケは主現場のAISの知り合いからの『香港からヤベェアイドルがきた!』というザワつきの伝え聞きだったのですが、ある日『今日他に現場ないし、まぁそんな言うなら一回見に行ってみるか』と軽い気持ちで行ったリリイベで僕は生まれて初めての国際恋愛を経験することとなりました。

 

彼女の名前はみどりちゃん。

香港の女子大生で、広東語・中国語・英語を話せる上に現在日本語を勉強中という才女です。 

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その日のリリイベの特典会ではまず一緒に来ていたヲタ友が握手会でみどりちゃんと話す様子を遠巻きに見てたんですが、その時の率直な感想が「表情が硬くてヲタク嫌いそうだなぁ」だったんです。で、いざ自分もなんとなく流れで接触行くことになり『まぁヲタク嫌いそうやし事故りそうだけどどうせなら自分が最初に気になったみどりちゃんにいくか』となり彼女と2チェキを撮ったんですが、いざ実際話してみてもうほんとに自分の後頭部をピッケルで振り抜きたいと思ったんですが彼女は決してヲタクが嫌いで会話中に険しい表情をしていた訳じゃなく、単純に日本語で気持ちをどう伝えればいいかに悩みながら一生懸命日本のファンと話してくれていたわけですよ。それに比べて日頃の僕なんかちょっと言葉が通じるからって日本のアイドルとの接触でやれ神接触だのやれ事故っただのホントいちいちうるせぇ訳です。ジジイが乗ってる自転車のブレーキくらいうるせぇ訳です。クズなわけです。もうね、僕はみどりちゃんと話して心が洗われました。もう言葉なんか通じなくてもいいんだと。気持ちが通じればいいんだと。しかも後から聞いたら今回のリリイベ期間中にみどりちゃんが日本のイベントに参加するのは僕が偶然見に行った日を含め2日だけだったそうで、しかも初対面となった3/3は(私事ながら)僕の誕生日だった訳で、もうそれだけで「うお座のO型」っていうロマンティスト気質が粉塵爆発を起こして一気にみどりちゃんにベタ惚れしたわけです。しかも接触で「実は今日誕生日で~」みたいなこと軽く言ったら自らチェキの裏に慣れない日本語で「お誕生日おめでとう!」と書いてくれてそれを見た瞬間「あっ…」となり気付くと脳内で『荒野のヒース』の歌い出しが流れて僕はもうホンマみどりちゃんの事が恋しくて恋しくて顔がBEGINになりました。

 

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余談ですが、初対面となったこのリリイベで完全に心を掴まれて即翌日の対バンも見に行くというチョロさを見せたゲバラなんですが、みどりちゃんはこの日のイベ終了後に香港に帰る予定だったので、特典会中に券を持ったまま列に並ばずマゴついてた僕は『どうしたの?チェキ撮らないの?』と聞いてきたヲタ友に対し『だってこの券使ったら推しメンが国に帰っちゃうんですよ?(涙目)』という謎の名言を残しました(※ループしました)。それにしても終わったら推しメンが国に帰っちゃう特典会はかぐや姫感あってエモみのホワイトアウトだったのでいつかまた体験したいです。

 

そして、それ以降は週に一度のShowroomと海の向こうから届くふぉぼだけで心の暖を取ってなんとか人生を生きている僕です。というかここまでマジでみどりちゃんの話しかしてないんですがライブに関しては全曲日本語でナチュラルに聞けるくらい凄い頑張ってるし、逆に言葉の壁がある分、それを超えようとする真摯さみたいなものが伝わってきて好感が持てます。とりあえず既に神曲と名高い『天使かよ。』を聞いてください。

 

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ちなみにリリイベの日は香港から来ていたアリエルのヲタクさん達が布教でCD分けてくれたりと、ヲタ活を通じた国際交流もできてグローバルな休日になりました。優しいアリエルヲタクの皆さん、その節はありがとうございました。このブログを書いている時点ではまだ次の日本でのイベントは決まっていませんが、メンバーだけでなくまたアリエルヲタの皆さんに会えるのを楽しみにしています。それまでお元気で!皆もアリエルの応援よろしくな!みどりちゃんちゅき!

 

④MIGMA SHELTER

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【実績】

ライブ:2回
接触:行ったことない

【所感】

めっちゃ個人的な話をすると、解散した僕の某元推し箱から最も多くヲタが流れた先がこのミシェルだったらしいです。そのグループの解散当初は僕も心がささくれていたので『俺は絶対好きにならんぞ。あのグループの代わりなんか世界に1つもないんだ』と変に意固地になって意識して見ずにいたのですが、ある程度時間が経って喪が明けて、やっと冷静になれたので最近初めて生でこのグループのライブを見たんですが一言で言って度肝抜かれました。なんか怪しいセミナーに来ちゃったのかと思いましたw

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ライブ見て思ったのは、「感性に訴えかけて正攻法で好きにさせる」ってよりは「精神が好きにならざるを得ない空間を作り上げる」って感じの臭いでした。ちょっと洗脳に近いというか、外国の民族の戦意高揚の儀式みたいなイメージでした。ライブ音源は曲が絶え間なく繋がれたミックスになってて、一度始まったら終わるまで自分の脳で何かを考える隙を与えないし、室内だと特に照明効果と電子音のリフレインで酒とはまた違った酔いを脳に植え付けられる気がします。ちょっと汚い喩えかもしれないけどエメラルドゴキブリバチを思い出しました(※結構エグいので検索は自己責任でお願いします)

 

悔しいけど元推し箱がやってたのと近い『魔法』を使っていたように思います。悔しいけど対バンの並びとかにいたら喜んで見ちゃうんだろな悔しいけど。ぐぎぎ。

 

⑤パンダみっく

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【実績】

ライブ:そこそこ見てる
接触:チェキ1回だけ

【所感】

またまた個人的な話ですが、このパンダみっくは僕の主現場のAISの永遠のライバル的なグループです。レッドとグリーンみたいな。グループの紹介は「sora tob sakanaの妹分」というと分かりやすいんでしょうが、カラーは全然違うように思います。曲はオリジナルと既存のバンド曲のカバーをメインにやってるのですが、まず最初に思ったのが本当に常に攻めてるなと。

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「全員中1」って事実にもクラクラしますが何より驚くのはそのスタミナで、見れば見る程「この子たちいっつも元気だなー」と思います。オリ曲含めカバーしてるバンド曲も全体的にBPM高めなのに始まりから終わりまで絶対に笑顔を絶やさないしダンスも動けるだけじゃなくちゃんと一節一節でピタっと止まれるんです。僕は学生時代ちょびっとだけ部活でダンスをやってたんですが、この動けるだけじゃなく「止まれる」のがスゴいと思うんですよね。三浦大知とかに顕著なんですが、「止まり」がキレイなダンスって本当に見てて惚れ惚れします。あとダンスって基本的に動作と静止の繰り返しなので、その両輪が回ってこそ見栄えが良くなるものだと思ってるんですが、それを年齢的にまだ体もできてないような中1のあの子たちが今の時点であそこまでやれてるのって実は目に見えてる以上にヤバいことだと思うんですよね。あと僕はバキバキのふくらはぎの事を『ふくらバキ』って呼んでるんですが、もれなく全員ふくらバキ持ってて基礎トレの厚みが見えるようでした。口は嘘つけるけどふくらはぎは嘘つけないので。なので、あそこまで分厚い地盤ができてる彼女たちがこれから色んな技術やテクニックを身に付けていくと思うと正直末恐ろしいですし、主現場のAISのファン的な目線で見るとちょっと複雑だけどどんどん強くなっていってほしいなと思います。あと特典会の騒がしさとこなちゃんの謎の落ち着きが好きです。

 

 

余談ですがパンダみっくも先述のuijinを見た日のライブに出演していました。現在はメンバーのあややこと橋本彩花ちゃんがケガのため活動を休止中です。なのでここでもフルメンバーではないステージを見ることとなったんですが、残る4人が一切不安を感じさせないような全力のパフォーマンスを見せていて正直圧倒されました。かつてAISと争った2016新人公演でのテーマ曲「シンデレラ(相対性理論)」も久々に聞くことができて感慨深かったです。ロリコンかスポ根が好きな人はパンダ要チェックです。いつかハチゲキとか印象派とかカバーして欲しいなぁ。 

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⑥神使轟く、激情の如く。

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【実績】

ライブ:5回以上
接触:2チェキ1回

【所感】

 お待たせしました大本命です。白状すると最近僕が見た中で一番のオススメはこの「神使轟く、激情の如く。」略して「神激」だったりします。ネットの印象と現場の雰囲気にいい意味でめちゃくちゃ開きがあるグループだと思うので、ここではド新規なりに思う魅力を3つ書こうと思います。

 

 

 

魅力その①「最近1人やめた」

いや待ってください違います全然disってもふざけてもないです(汗)というのも、この神激は昨年2017年の9月にデビューしたらしいんですが、18年の割と年初にメンバーの一人が規約違反?的なニュアンスで即日解雇&脱退が発表されました。細かい事はググってくださいとしか言えないんですが、このグループに関しても先に述べた通り「不安定な時にこそ出るグループの地力」が気になって、件のメンバーの解雇翌日のライブを見に行きました。(ちなみにこの神激は平日含めほぼ毎日エグいくらいイベント出てるので思い立った時に行きやすいです。チェキ代増えるねやったね〇えちゃん♪)そしたら6→5人の圧力の目減りみたいなものを一切感じさせないブレのないライブでふつーにオイオイできました。対バンは規模的に地下だったけど、ライブの心意気は地上ないし天空でした。

 

カオスの過渡期なこの時代、『この〇人で昇っていって欲しい』みたいなファン目線のストーリー願望って時にグループの足枷になる気がします。ちょっと想定外の出来事が起こった時にすぐ和が乱れたりとか、賛否に分かれてファン同士のいざこざが起こったりとか。(最近でいうと萌キュンソングを世界に発信するところとか特に顕著だったように思います)なので個人的には『過程なんかどうだっていいから何が何でも売れる』みたいな気概に惹かれるところがあります。演出されたストーリー含め割とすぐ物事を斜めから見てしまう腐った性根の持ち主なので「剣が折れたら殴り〇す、腕が折れたら蹴り〇す、脚が折れたら噛み〇す」ぐらいのなりふり構わない気迫に魅了されたいのかもしれません。まぁグループ結成当初から新メンバー募集してたので、特に固定メンバーにこだわりがある訳ではないみたいですが。それに加えて過去に別グループを経験しているセカンドキャリアのメンバーも多いみたいです。それに関して個人的に思う事を言えば『あぁ元〇〇のアイツね』的な感じで前グループの情報知ってるだけでろくに今の姿も見ず知った口聞くヲタクが大嫌いなのですが、それだけ色んな経緯で色んな所から集まったメンバーが起こす化学反応が面白くない訳がないし、結局大事なのは過去でも未来でもなく今なのでこれからも見た事ないくらい楽しい「今」を見せ続けてくれる気がして期待しています。「面白い事をやりたい」って気概に一歩遅れて人が引きずられていくような野心的な雰囲気が好きですし、今後起こる悲喜こもごもを全てパワーに変えて進んでいく力強さを見せてくれる気がします。

 

魅力その②「ネットと現場のギャップ」

まずこのMVを見てください。

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僕はこのMVを初めて見た時、「うーわキッツ、これ系は絶対好きになれんわw」と思いました。元々、神激を知ったキッカケも元少ナショの白川さんのこのMVに対する半dis的なブログ(※)だったので、その内容に同意する形で「いやコレ最近バズった仕掛けを全部パクって一曲に全部乗せしただけじゃん、浅っ」って思ってたんですが、普通だったらそこで興味なくなって二度とMV見なくなるところが、このMVに関しては臭い臭いと思いつつも何故か何度も見てしまったんです。『こんだけ嫌いなのになんでこんなに見ちゃうんだろ』と自分でも不思議でした。で、この「嫌い」の正体が知りたい一心で初めてライブ行ったら、終わった頃には好きになってました。その理由については後述します。

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正直今だから言うと、ネットで動画見た印象で勝手にガチ恋ピンチケ厄介だらけの地獄現場を想像してたんですが、いざ行ってみたら色んな年代の方に加え女子もいて驚きました。しかも雰囲気いいし平和だし、沸き系の曲で盛り上がる時もケガがないよう1人1人が配慮できるような節度ある現場でした。正直ここまでいい意味で予想を裏切られたのは初めてだったし、その後も特に抵抗なく現場に通うことができました。MV冒頭の会議シーンで言っているように曲はオールジャンル、転調、コール、ラップ、語り、とマジでなんでもアリで情報量多いんですが、一貫して見えるのは「新しいことやりたい」「面白いことやりたい」っていう気概でした。しかも楽曲は全部メンバーの生牡蠣いもこ(※)さんが作詞されてるらしいんですが、この歌詞もめっちゃ良くて。

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生牡蠣いもこ(いくがきいもこ)さん

パっと見よくありがちなアイドル側からのメタ目線歌詞に見せといて、読めば読むほど毒の盛り方が工夫されているというか、裏読みしたファンの思考が実は歌詞側の誘導で、先回りして複数段階で深みが用意されているみたいな。「メタ歌詞読みメタ思考を更に読んだメタ歌詞」みたいな(伝われ)。

 

とにかくメンバー主導の創作性があるグループはライブに説得力が出て強いと思います。他にも日によって曲中MCの担当や内容を変えたりと、一回一回のライブを「その日その場所にいた人しか見れないライブ」にする工夫や熱意が凄いと思います。個人的にいつ見ても同じ曲・同じ振り・同じMCだと『これならYoutubeでいいや』ってなっちゃうので。あれだけ毎日イベント出てたらネタ切れでガス欠しそうなもんなのに、常に一回きりの生ものとしてライブを作っている所に敬意を払いたいです。なんでも生が1番いいよね。

 

あとこれは逆に営業妨害になっちゃうかもですがMCでいい事言う時だけエモいBGMかけたりするのが強かだなと思いました。以前運営の方のツイートで「ライブの箱ごとに音源を微調整してる」的な話を聞いてても思ったのですが、やってることメチャクチャに見えて実は相当緻密に作り込まれてるんだなと。あと物販の名物スタッフさんが下手するとメンバーよりアイドル性高くて最高ですw

 

魅力その③「名物サークル」

初めて神激のライブを見て一番驚いたのが、名刺代わりの代表曲「宣戦布告」終盤のサークルです。説明するより見てもらう方が早いのでこちらをどうぞ。

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 パッと見で「うわ怖いなあ」と思う人は当然いると思います。というか僕もそうでしたし。でもこのサークルで一番驚いたのは、降臨を禁止されてる会場を除いてほぼ必ずメンバーがフロアに降りてきて円作りを誘導するんです。(ちなみに品川のアイドル劇場で座りで見てたらメンバーが直接来て立たされましたw)演者の聖域の舞台を丸ごと放置してまで舞台下に降りてきて、メンバー自ら専ヲタ・他ヲタ・古参・新規関係なく1人ずつ肩たたいて輪の中に入れていくんです。で、そうしてメンバー自らが中から指揮するからか、盛り上がりはしても決して悪い意味で荒れることはなく、秩序あるサークルとして成立するんです。こればっかりは体験してみないと分からないと思うんですが、個人的には今後もっと広い会場でライブをやるようになってこのサークルの輪がどんどん大きくなっていったら、いつかベビレの夜明けやしゅかしゅんのLet you flyに並ぶような光景に発展していくんだろうなと思うし、何より「ケガの心配なく誰でも参加できる熱くて優しい沸き現場」っていう、今までどのグループも作れなかった絵空事のような景色を作り出せるんじゃないかと本気で期待してます。変な客が騒動起こしたりでもしない限りマジで今年の横丁→TIFで台風の目になると思ってます。ネットの第一印象で抵抗感じた人ほど騙されたと思って現場行ってみて欲しいです。よろしくどうぞ。

 

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ことのちゃんの煽りは熱いし口悪いしヲタいじり上手いし最高。伊達メガネなのにグループで1番視力良いのも最高。

 

 

さいごに

 

ここまで読んでくださった方ありがとうございました。これからも「ヲタク全員単推しだったらアイドル余る」を胸にKSDD道を突き進んでいきましょう。

 

最後にちょっとだけ主現場の宣伝をさせてもらうと「AIS(アイス)」ってグループの初ワンマンが4/14(土)に白金高輪であるのでよろしくです。

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それでは皆さん、また非主現場で会いましょう!

お粗末!

 

 

【AISヲタクインタビュー③】「朝熊萌」編・まっくさん

 

 

まえがき

俗・アイドルの魅力はヲタクに聞け!

 

ってなわけで始まりましたAISヲタクインタビュー企画第3回!

 

まったくシリーズ化の予定もないのに初回タイトルになんとなく「①」とか付けちゃった蒼い衝動から約二ヶ月。

速いもので今回で第3回目となったこのインタビューブログ。

 

ちなみに「たっつさん(@solitarybattery)」にお話を伺った前回の「島崎友莉亜ちゃん編」では、筆者の予想通り「長い」という声が続出。

 

「面白かったけど長い」「良かったけど長い」といった暖かいクレームの雨が僕のTLに降り注ぎました。

 

まぁ「長い」って言ってる時点で皆さん割と全部読んでくれてるんすねw(してやったり顔)

 

そしてなにより、ブログ内で大賀咲希ちゃんの話題に触れたことがキッカケで、多くのさくら学院父兄の皆さんが当ブログを読んでくださったと風の噂で聞き、素直に嬉しかったです。ありがとうございます。

 

やっぱり人の金で食う焼き肉と知り合いの人望で稼ぐふぁぼリツはいつだって美味いもんです(他力本願寺)

 

改めて、インタビューにご協力くださったたっつさん、話題に上げさせてもらった友莉亜ちゃんと咲希ちゃん、そしてさくら父兄の皆さま含め、当ブログを読んでくださった全ての方にお礼申し上げます。ありがとうございました。

 

それでは、前置き長くなりましたが今回のお品書きへと参りましょう。

本日の主役はバキバキダンスのあざカワマスコット・朝熊萌ちゃん。

インタビューを受けてくださったのは「まっくさん(@DFMACF)」です。

 

あのPerfumeをキッカケにアイドルヲタクになったというまっくさん。

様々な現場を広く見ていく中で、なぜAISに、そして萌ちゃんに特別な思い入れを抱くようになったのかについてお話を伺いました。

 

ちなみに今回のキーワードは「ヤンキー性」です。

それでは、これまで通り簡単な紹介文から以下より始まります。

 

AIS・朝熊萌ちゃんの紹介

 

AIS・朝熊萌ちゃん(15)

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小さい体にキュートな童顔に加え、その舌ったらずな喋り方がひたすら愛くるしいAISのマスコット的存在、萌ちゃん。

しかし一度ダンスに入るとその雰囲気は豹変。

誰よりも頼りになる生粋のパフォーマーとして、そのキレキレなダンスでAISのライブに躍動感を生む。

ちなみに今は韓国発のアイドルグループ「TWICE」に目下激ハマり中であり、Twitterでダンス動画を上げたり、ブログ内で度々話題に触れるなど、その熱は日に日に増すばかりである。

 

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インタビュー本編

  2018年2月某日。

都内某所の喫茶店にてまっく氏と待ち合わせた。

 

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公衆の面前で生写真広げてJKよりはしゃぐ大人たちの図

 

 

  それでは、改めて今日はよろしくお願いします。

 

まっくさん「はい。よろしくお願いします。」

 

ドルヲタになったキッカケ

 

  ではまず最初に、まっくさんがドルヲタになったキッカケについて教えてください

 

「スタートはPerfumeですね。時期でいうとちょうどポリリズムの頃です。はっきりしたキッカケ的なものはないんですが、徐々にニコ動やYouTubeに色んな動画が上がるようになってきた時期にバナー広告で偶然目にして、そこからなんとなくCDを買うようになったのが始まりですね。現場に初めて行ったのもPerfumeでした。」

 

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  元々Perfumeは広島のロコドルとしてスタートして、東京進出の際にイメージチェンジ戦略でひらがな表記の「ぱふゅ~む」から今の「Perfume」になったんですよね。その後アイドルからアーティストへの路線変更があったと思うんですが、当時の現場の空気感としてはどうでしたか?

 

「売り方で言うなら僕がギリギリ握手会に間に合ってないぐらいですね。そのぐらいまでは池袋の噴水広場とかで握手会付きの販促イベントはやっていたらしいので。ただそれも今のアイドルがやるような握手じゃなく、歌手がたまにやるあっさりした握手会だったみたいですね。でもライブ中の雰囲気でいうなら、あの頃はまだ『地下っぽさ』が残ってましたね。MC中に客いじりしたり、かしゆかが欲しがったお客さんのジョジョの上着をそのまま貰っちゃったり、後日それを着た写真をブログに上げたりとか、ちょっと今のPerfumeからは想像しづらい、いわゆる『地下っぽい』ファンとの距離感はありましたね。」

 

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上京前、ひらがな時代の「ぱふゅ~む」

 

  グループの立ち位置として「アイドルかどうか」と考えるとかなりグレーではあったものの、当時はまだそういった「アイドル臭」が少なからず残っていた訳ですね

 

「そうですね。CDの初回生産分のうち50枚だけサイン入りの当たりを混ぜたりとか、そういう売り方はまだしてましたからね。」

 

  ちなみにそこからはどういう現場に行かれてたんですか?

 

「その後は継続してPerfumeを追いつつも、いわゆるアイドルのライブからは遠ざかってましたね。当時はバンド系によく行ってました。そこからまたアイドルのライブに戻ってくるキッカケになったのが『BABYMETAL』と『武藤彩未ちゃん』でしたね。」

 

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  全体的にアミューズ系列と波長が合うみたいですね。ちなみにこの流れからさくら学院は通らなかったんですか?

 

「なぜかさくらには行かなかったんですよね。言われてみれば不思議な気もするんですが。まぁBABYMETALも武藤彩未ちゃんも、割とつまみ食い程度に楽しむスタンスだったので、そもそも『1つのグループや個人を熱心に追いかける』という事はまだしてなかったんですよね。割と浅く広くアンテナを張っていたというか。世間的なブームに乗ってももクロのライブを見たりもしてましたし。」

 

  なるほど。ちなみにここからもっと近い距離感の、いわゆるライブアイドルの現場に行くようになるキッカケは何だったんでしょうか?

 

「これは清竜人25ですね。僕は第7夫人の優華が入った頃から見るようになったので、だいたい2015年からですかね。清竜人25はコンセプトの奇抜さと音楽からハマって、そこから『ハーレムフェスタ』っていう主催の対バン企画を通して共演相手の色んなグループを見るようになりました。主なところだと、JAPANになったばかりのベイビーレイズとか、風男塾とか、ゆるめるモ!とか、BiSHとかがいましたね。」

 

  今聞くと凄いメンツですね。

 

「そうですね。こうして知識も増えてきたところで『フェスとかにも行ってみようかな』と思うようになり、初めてTIFに行ったりもしました。今思うとこの辺りから興味のベクトルが少しずつライブアイドルにシフトしていった気がします。」

 

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今行っている現場

  それでは次の質問なんですが、今ってAIS以外にどこの現場によく行かれるんですか?

 

「今はAIS以外だと『なんキニ!』と、たまに『パンダみっく』くらいですかね」

 

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  なんというかこう、年代の守備範囲が広いですねw

 

「そうですねwただ、自分の中で変に『見る/見ない』の基準を決め込まないようにはしています。推しグループ目当てで入った対バンでも、一応興味以外の所も一通り見てみて、何か引っかかるものがあれば素直に調べてみるし、つまらなければ特に反応しないし、っていうスタンスではいますね。」

 

  凝り固まるのは良くないですもんね。素晴らしいスタンスだと思います。ちなみにいわゆるハロプロとかAKBとかスタダとか、そういう特定の『総本山』的な所に属することはなかったんですか?

 

「先ほども言った通りブームに乗ってももクロを見たり、何度かハロコンに行ったりした事もありましたが、どこか一つの大手にのめり込むということはなかったですね。なのである意味、かなりフラットな目線で色んな現場を見れているとは思います。」

  

AISを好きになるまで

 

  では、そこからどういった流れでAISを知ったのでしょうか?

 

「最初のキッカケはアイドルネッサンスでしたね。2016年のTIFで初めてルネを見た時に、初期Perfumeに近い何かを感じた気がして、そこからルネの現場に通うようになりました。その流れでルネとAISが呼ばれたさんみゅ~の主催イベントに行った時に、初めてAISをちゃんと見ましたね。ちなみにこの日はレジェンドゲストとして早見優が出てたりもしました。」

 

  その時のAISの第一印象っていかがでしたか?

 

「ん~、『特に…』って感じでしたね。お見送りも行かなかったですし。ほんとに『ふぅ~ん』ぐらいでしたね。」

 

  初見の時はさほど興味を持たなかったんですね。それでは、その後はどういった経緯でAISの現場に通うようになったんですか?

 

「それはアイドルネッサンス宮本茉凜(みやもとまりん)ちゃん(※)がキッカケですね。彼女は当時グループ兼任という形でAISとしても活動していたので、『ルネの茉凜ちゃんを座りでラクに見れるなら』ぐらいの軽い気持ちでAISの定期公演に通いだしたのが始まりです。なのでそれまでの『新人公演で敗北→サプライズで月一定期公演決定』の流れは一応見てました。」

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宮本茉凜(16)・2014年に結成されたアイドルネッサンスの初期メンバーとしてデビュー後、16年6月~17年6月までの1年間はグループを兼任する形でAISとしても活動。そして18年2月、アイドルネッサンスの解散以降、活動を休止中。

 

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16年夏にAISが参加した「新人公演~真夏のシンデレラ~」では、結成間もない5組のグループがAKIBAカルチャーズ劇場での定期公演の権利をかけ、動員などを争った。結果AISは惜しくも2位に終わったものの、僅差での敗北ということで特別に月一定期公演の権利を与えられた。

 

 

「なので定期公演は何気に初回から行ってました。ただその時点でも特典会には一度も行ったことはなかったですね。なのでこの頃は、まだAISにグループ単位での魅力を感じてなかったんです。でも、初回の定期公演を見てから2回目に行かず3回目に行ってライブを見た時に『あれ?なんか成長してる?』と思ったんですよね。僕自身、これまでPerfumeみたく、どちらかというと完成された所からグループを見て好きになる事が多かったので、『成長を見守る』というトキメキみたいなものを初めて感じたのがこの時のAISでした」

 

  『成長を見守る』というドルヲタならではの楽しさの入口が、期せずしてAISになったわけですね。

 

「そうですね。気持ちが動き始めたタイミングとしては本当にその頃でした。ちなみにその定期公演の翌日には持ち時間15〜20分くらいの小規模な対バンに入るほど惹かれてましたし、そこで初めて特典会にも行きましたね。」

 

  初めて特典会に行った際のメンバーの印象はどうでしたか?

 

「なんというかこう……幼いな、とw今までは割と年齢層高めのグループを見てきたので、『可愛いな』とかよりは単純に『子供だな』っていう印象が強かったですねw」

 

  なるほどwルネ兼任の宮本茉凜ちゃんがキッカケで現場に通いだしてから、メンバーの成長を感じた事でいよいよAISにも興味を持ち始めた訳ですね。

 

「そうですね。そこから徐々に現場に行くことも増えました。一応AIS-break(※)とかも行ってますしw」

 

「AIS-break(アイスブレーク)」…17年4月~6月まで行っていた金曜夜の定期公演シリーズ。平日イベントということで参加できるメンバーも限られる中、芸人さんをMCに呼んでのゲームコーナーやその日限りのカバー曲披露など、これまでにない新しい試みが多かった。

 

  これは今だから言えるんですが、正直AIS-breakは内容的に結構キツかったですよね?w

 

「そうですねw正直、最初見た時は『オウ……』って感じでしたねwやっぱり平日開催で地方メンバーの参加率が低かったり、土日に通常通りイベントに出て更に平日も…となると、なかなか一回一回の公演に充分な準備期間を設けられなかったのかなとは思いましたね。それだけに、ライブ自体の完成度が低かったり…w」

 

  ただでさえ集客の厳しい平日の早い時間に、新規はおろか既存ファンでさえ好みの分かれるような内容でやってましたからね。

 

「そうなんですよね。たしかにあの頃は、若干の迷走臭はありましたね。」

 

  まぁこの時期の挑戦的な姿勢が後の展開に繋がったようにも思いますけどね。そして、そんなAIS-breakにも挫けず…と言ってはアレですけどwそこでモチベーションが尽きる事もなく、その後もAISに通い続けたんですか?

 

「そうですね。その後すぐに宮本茉凜ちゃんのグループ兼任解除ということで、AISとしてラストとなる公演があったんですが、この時には既に『彼女がグループを卒業してからもAISは継続して見ていきたい』と思うようになっていましたね。」

 

萌ちゃんを好きになるまで

 

  それでは、その後どういった経緯で萌ちゃんを推すに至ったのでしょうか?

 

「6月に宮本茉凜ちゃんが卒業した直後、7人での新体制お披露目公演があったんですが、その時期ぐらいから少し萌ちゃんに対して思うことがあって。」

 

  と、いいますと?

 

「ライブ中のパフォーマンスについては当然いつも素晴らしいんですが、その反面『お客さんをあまり見てないのかな?』と思ったんですよね。ライブに対する自己基準が『どれだけ客席を盛り上げられたか』よりも、『今日のパフォーマンスは自分の中で何点だったか』みたいな所で割と自己完結しちゃってる気がして。なのでそういう『お客さんとのコミュニケーション』的な部分で若干思う所はありました。」

 

  そうですね。ある意味すごくダンサーっぽいというか、良くも悪くもパフォーマー気質だなとは思いますね。もちろんそういうストイックさも大事ですが、スキルが光っているだけに、そういった『閉じた印象』がもったいなかったですよね。

 

「そうですね。なのであの頃は特別萌ちゃんに思い入れを抱いてはいなかったですね。ライブを見ても『麗愛ちゃんカワイイな』とか『舞優ちゃん楽しいな』とか、他の子が印象に残ることが多かったです。そこから横丁、TIF、8月の単独公演…と見ていったんですが、個人的にはその後の@JAMくらいから色々変わり始めたのかなと思いますね。この時に披露した『ICE CREAM MAGIC』を見て、AIS自体もそうなんですが、萌ちゃん個人としても明らかに変わり始めたように感じたんですよね。それまでの閉じた印象が薄れていって、少しずつ客席を見るようになった気がしたんです。」

 

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「あと、それがキッカケかというと微妙なんですが、その直後には@JAMの課金レース的な企画で萌ちゃんのサイン入りTシャツを落としたりもしました。ただこの時はまだはっきりと推し確定はしてなかったですし、言ってしまうとこのTシャツを落としたのも半分はノリだったんですwでも、オークションの課金ハードルの高低に関わらず、最初から他の子ではなく純粋に萌ちゃんのTシャツが欲しいとは思っていました。それにしても、あれはヲタクが現金で殴り合うという本当に血生臭い企画でしたねw」

 

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大切そうに見せてくださったサイン入りTシャツをスタバで堂々と広げさせる鬼畜インタビュアーの図

 

「それで@JAMが終わって9月からは2回目の定期公演が始まりました。で、久々にホームグラウンドのAKIBAカルチャーズ劇場でライブをやった時に、前より少しお客さんが増えたように感じたんですよね。もちろん夏フェス等を通してAISが成長したことも嬉しかったんですが、何よりそれが少しずつ目に見える結果につながり始めたっていう上昇感があったことがとても嬉しかったのを覚えています。」

 

  そうですね。昨夏は派手な躍進こそありませんでしたが、今後につながる色々な物を得られた意味のある時期でしたよね。そして、その後の定期公演についてはどのように見ていましたか?

 

「まず、定期公演の第1回目に動員目標が発表されたじゃないですか。目標は『全7回の公演で通算1000人』だったので、順当にいけば1回当たりのハードルは約140~150人程度でした。しかし3、4回目ぐらいまで終わったところで、平均動員が100人弱と伸び悩み、少しずつ後が苦しくなっていきましたよね。」

 

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第2期定期公演の初回にて行われた、動員目標に関する説明。

 

「そうした流れの中で、いくつかテコ入れが入って。リーダー橋本麗愛ちゃんのプロデュース公演とか、事務所の先輩のトミタ栞さんのゲスト出演とか。たしか特典会のレギュレーションが下がったのもあの頃だったと思いますし。」

 

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「もちろん、前と比べると本当にライブも良くなったし、お客さんとのコミュニケーションも良くなった。新しい試みも続々追加されて、持ち曲も増えたし、現場の雰囲気もすごく良い。もっと言えば周りのお客さんも皆楽しそうだし、当然自分も本当に楽しい。それだけに、『なかなかそれらが集客に結びつかない』という事が当時は本当に歯がゆかったですね。そうして6回目の公演が終わって、あとは千秋楽を残すだけになった所で、発表されたハガキの残数が256枚。これまでの1回当たり動員は多くても150人足らずだったので、正直この時『あ、ダメだ』と思ったんです。実際ゲバラさんもあの時はそう思いませんでしたか?」

 

  思いました。新人公演に負けた時のあの泣き顔をまた見ることになるのかと、内心かなり諦めモードでしたね。

 

「ですよね。正直『あと1回で256人』と聞いて『イケる!』と即座に思ったファンなんて誰もいなかったと思うんです。当然僕も『あ~あ…』って思ってたんです、その時は。で、その後、千秋楽を控えた最後の一週間に急遽チケットの手売り会が開催されたじゃないですか。それも本当に偶然その週の平日にあったイベントの物販スペースだけを借りて、ライブをすることもなく、ただ関東メンバーが来てチケットを手売りするだけ、みたいな。それで、まぁ最後の悪あがきじゃないですけど、『色々頑張ってたし…』と思って、一番人の少なそうな水曜日の渋谷duoでの手売り会に行ったんです。そしたら、会場に入ってすぐ真横に小さな机と椅子があって、そこに簡単な張り紙で『AISさん』って書いてあるんですよ。最初に見た時は『え、これ?ここでやるのか…』と思いましたね。それで、その後にいつもいるファンの方達がきて、次にAISメンバーが来て手売り会が始まったんですが、正直環境が良くなくて。というのも、当然ですが物販スペースの前は通路で、それを挟んですぐ隣には喫煙所があったんです。それにはっきり言ってその日のライブ自体、客層的にAISに興味のあるお客さんなんていないんですよ。しかもその日AISはライブもやらなかったので、そもそもAISを知らない人が来ていきなりチケットなんか買う訳ないんですよ。で、そういう状況の中で、目の前の通路を通る人は一瞥もせず通り過ぎていくし、向かいの喫煙所でタバコを吸う人は興味無さそうに見ている上、会場には終始爆音のライブ音という。そんな決して良いとは言えない環境の中で、萌ちゃん・友莉亜ちゃん・陽日ちゃんの3人が、本当に最後まで腐らず、ずっと必死に声を出し続けてたんです。その姿を見た時に、『これはひょっとしたら何かが起こるのかもしれない』と思ったんですよね。」

 

 

「その後の事については既にゲバラさんがブログに書かれてる通り、メンバーの頑張りはもちろんの事、色んな人のおかげでなんとか動員目標を達成した訳ですよね。それで、その千秋楽公演のライブを見た後、特典会で萌ちゃんの前に立った時に私…泣いてしまいまして……。いざ萌ちゃんを前にした時に、もう本当に『よかったね』しか言葉が出てこなかったんです」

 

  あの日は本当にそれしかなかったですもんね

 

「そうですね。本当に…最初はお客さんの方を向いてないように感じた萌ちゃんが、そこからどんどんお客さんとコミュニケーション取りだして、煽りもどんどん入れるようになっていった変化とか、手売り会で最後まで諦めず声を出し続けていた姿とか、そういう色んな過程を見てきた上であの12月9日を経験してしまって、最終的に特典会で萌ちゃんの前で泣いた俺は、きっとこれからも萌ちゃんを推していくんだろうな、と。そう、自然と心が決まった感じですかね……」

 

  ……(無言で目元を手で覆うゲバラ)

 

「……」(無言で目を潤ませるまっくさん)

 

  あの……僕、このインタビューをお願いしたのが、まっくさんで……本当によかったです…(涙目)

 

「いやいや…あの、そんな(涙目&照笑)」

 

(※注1)先に泣いたのはまっくさんです

(※注2)隣の席のカップルはドン引いてました

 

萌ちゃんのここを見てくれ

 

ダンスに入る時のギャップ

 

  素敵なお話をありがとうございます。では次の質問なんですが、『萌ちゃんのここを見てくれ!』ってポイントはどこでしょうか?

 

「これはまず『ダンスに入る時のギャップ』ですね。踊っている時の萌ちゃんって、もちろんダイナミックなダンス自体の魅力も良いんですけど、自分の身体をコントロールできている事への喜びを全力で表したような、素晴らしい表情をするんですよ。特に『完璧ぐ〜のね』ラストの手を大きく羽ばたかせる振付の時とか。で、そういうダンサーなりの感情表現というか、『あの普段カワイイ萌ちゃんが、ダンスの時は何かに取り憑かれたように夢中になって、しかもあんな顔になるのか』っていうギャップは何度見てもグッとくるものがありますね。」

 

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上記シーンは(4:02~)、萌ちゃんは右から2番目

 

 

  あの表情の変化は見ててゾクゾクしますよね。ライブではバキバキなのに特典会に行ったらフニャフニャでw『どっちが本当の萌ちゃんなんだろう?』みたいなw 

 

「そうなんですよね。でもやっぱりアイドルも人間なんで、当然いろんな面があるじゃないですか。その点、萌ちゃんについてはファンに見せてくれる全部の面を存分に楽しませてくれるなぁと思いますね。まぁ僕に関してはそれが高じて、最近はやたら変なものばかり欲しがってしまっているんですがw」

 

  と、いいますと?

 

「まぁ一言で言うなら、『ヤンキー性』ですかね(イイ顔)」

 

ヤンキー性について

 

  「ヤンキー性」ですか。ちなみに具体的にはどういった感じの…?

 

「まぁ一言で言うと、『悪い顔の萌ちゃん』の魅力に気づいてしまって、それをどんどん見たくなってしまったんですよね。というのも、その可能性に気付いたそもそものキッカケがこの写真だったんですよ。」

 

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「これを見た時に『萌ちゃんってこんな顔もするんだ』って思ったんです。何というか、見れば見るほど感情を読み取れない不思議な表情だと思うんです。あえてタイトルを付けるとしたら『焦燥』とでもいいますか」

 

  たしかに、さっき言った『ダンス中のバキバキ感』にも『普段のふにゃふにゃ感』にも属さない新鮮な表情ですね

 

「そうなんです。で、まずこの写真で『萌ちゃんにはこんな顔もあるんだ』という発見をして。次に浴衣の動画を見た時に、萌ちゃんが浴衣のまま雲梯をしたり、遊具に登ってたりしてたんです。で、ふと気付いたのが、カメラを回してるメンバーに話しかける時の言葉遣いとか態度が、当然ですけどファンの人と接する時のそれとは違っていたんですよ。あのふわふわな萌ちゃんがメンバーと対する時だけ見せる少しヤンチャな一面というか、それにあの生写真の不思議な表情も相まって、『これはまだ自分の知らない萌ちゃんがいるんだろうな』と思ってしまったんです。」

 

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  まだ開いていない扉の存在に気付いてしまったんですねw

 

「そうですね。それと同時に、『その顔を見てみたい』と思ってしまったんですよね。それが自分の中で『強そうな萌ちゃん』という所から少し形が変わって『悪そうな萌ちゃん』になって、最終的にたどり着いた表現が『ヤンキー性』だったんですよね」

 

  なるほど。ちなみに僕が以前ジャンケン大会で勝って貰ったこのチェキの萌ちゃんとかどうですか?

 

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「あー素晴らしいですねこの座り具合(イイ顔)。あ、これで思い出したんですけど、『愛のナースカーニバル』間奏の、ちょっとガラの悪い中腰になる萌ちゃんもいいですね。ダンサーのポージングセンスからか、自然と腰の入れ方も強い感じになってて。」

 

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上記シーンは(2:39~)

「あと動画で言うなら、バレンタインの妄想動画を全員で見ている時に、自分の動画が流れている時のメンバーが1人ずつ照れてソワソワする中、唯一身動き一つせず、目も反らさずに自分の動画を見続けたあの負けん気ある感じとか好きですね。」

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上記シーンは(6:45~)

 

「それで話を戻すと、この魅力に気付いてから『まだ見ぬ萌ちゃん』の表情を残そうと、チェキの時に色々注文を付けるようになったんですよね。」

 

  宮沢賢治も真っ青ですねw

 

「まさしくですwで、最初に『パリピっぽく撮ってください』ってお願いして撮ったのが、このチェキなんですが、」

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「正直これを見た時に、『ちがうな…』と思ったんです。なんというか萌ちゃんに合うのは『ウェーイw』みたいな軽い悪さではないんじゃないかと。」

 

  確かに萌ちゃんに合うのは『群れるタイプの悪さ』ではない気がしますね

 

「そうなんです。どちらかというと浮わついていない『個』としての強さじゃないのか…と。で、そこからしばらくして、昨年最後のイベントの時に撮ったのがこれだったんですけど、」

 

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「これ、チェキには写ってないんですけど、『来年の干支をやってください』ってお願いしたんです。そしたら『えとぉ~!?』って感じで聞き返されたんです。どうやら萌ちゃんは干支が分からなかったらしくてwその(えとぉ~?何それ?わかんない!)みたいな表情がめっちゃ悪くてwそれを見た時に『これだッ…!!!』って何か確信めいたものがあったんですよね(超絶イイ顔)」

 

 

  wwwwww(爆笑)

 

「そこからいわゆる『悪い子要求』の方針が自分の中で固まってきて、ソロチェキの時の演出が上手く噛みあうようになってきたんです。そして萌ちゃんも僕の歪んだ要求を感覚で理解し始めたのか、どんどん『悪い顔』が板に付いてきたんですよねw」

 

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チェキは人によって色々な楽しみ方があるらしい()

 

  成長著しいですねw仲良くなるにつれて推しメンの表情が良くなると考えると微笑ましいですが、やってる事が事だけに言っててすごく複雑な気分ですw

 

「まぁ、ちゃんとこういう可愛い萌ちゃんのチェキも撮ってるんですけどねwヤンキーチェキはあくまで楽しみ方の一つって感じですよw」

 

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  ちなみにかなり話が脱線したところで難ですが、宝物チェキってありますか?

 

「宝物だとこれですね。さっき言った千秋楽公演で泣いた直後のチェキです」

 

  流れ的にやや不安でしたが、ここはキレイな回答でホッとしましたw

 

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先述のTシャツを着たまっくさんと、この日手にケガをしながらも圧巻のステージを見せた萌ちゃん。色んな歴史と思い出が詰まった素敵な一枚。

 

ヤンキー性よもやま話

 

  ちなみに『ヤンキー性』の良さを認識したのは、そもそも萌ちゃんがキッカケだったんですか?

 

「それなんですけど、このインタビューのお話を頂いてから改めて色々考えてみたんですが、そもそも最初にこの魅力に気付いたキッカケって、数年前にテレ東の深夜ドラマでやっていた『みんな!エスパーだよ!』の夏帆だったと思うんですよね」

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  なるほど、そこですか!

 

「はい。僕自身、別に夏帆自体は『カワイイね』とは思いつつも、特に思い入れとかなかったんですよ。でもあのヤンキー役を見た時に『うわコレ、キてんな…』みたいなグッと来るものがあったんですよw(ハイパーイイ顔)乱暴さに惹かれたというよりは、あのトータルの雰囲気に掴まれたんですよね。でも本当にこのインタビューの話が来るまで忘れてたんですよ。」

 

  ではあくまで種が蒔かれたのがここで、それが萌ちゃんで芽吹いた訳ですねwちなみに似た路線で『パンダみっく』の『せっち(※)』はどうですか?

 

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パンダみっく・横澤星流(よこさわせいる)ちゃん(13)

 

「せっちはどちらかというと体育会系寄りのヤンキーですね。一見悪そうに見えて芯の通ったパイセン的な。」

 

  なるほどw同じヤンキー性でも細かく路線が分かれてるんですね、奥が深いですw

 

「あとヤンキー性として気になってるのは同じAISの星来ちゃんですね」

 

 

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AIS・磯前星来(いそまえせら)ちゃん(14)

 

「星来ちゃんの場合、まだ隠し持ってる物がありそうな反面、本人がそれに無自覚な気がするんですよね。スポンジのバットだと思って振り回してたらよく見ると刃物だったみたいなwなのでもし星来ちゃんがヤンキー性に目覚めたら、下手するとそのまま帰ってこれないところまで行くかもしれないですねw」

 

  純粋ゆえの危うさ的な事でしょうかw分析が深いですねw

 

「あくまで僕の見解ですけどねwその反面、萌ちゃんはいい具合に落ち着いてくれそうな気がします。本当にちょうどよくというか、まぁ理想のバランスは結局夏帆なんですけどw」

 

ヤンキー女子の良さとは

 

  ここで改めてなんですが、ヤンキー女子の良さってなんだと思いますか?

 

「まず前提として、ヲタクは理屈が大好きじゃないですか。それに対してヤンキー女子は、そういう理屈を吹っ飛ばせる存在だと思うんです。理詰めではどうしようもない困難に立ち会った時に、『オラいくよッ!』ってヲタクのケツを蹴り上げてくれるような、そういう他にはない種類の強さを持っていることが魅力だと思うんです。萌ちゃんについても、AISという清楚でお行儀のいいグループで、優しくて真面目なメンバー達の中にいるからこそあの強さが光るし、今後何かしらで『やらなきゃいけない場面』に差し掛かった時に、現状を打破するための突破口になってくれる存在だと思うんです。」

 

  たしかに、停滞を崩してくれるというか、いい意味で予定調和を壊してくれるような心強さがありますよね。

 

「そうですね。まぁ言ってしまえばそういう魅力はある種の『毒』だと思うんですが、グループをより高みに導いてくれるような『良い毒』だとは感じますね。もちろん毒ばっかりじゃなくて、可愛くて優しい萌ちゃんも当然いますし。なにより萌ちゃんって、メンバーのことが大好きだと思うんです。陽日ちゃんの生誕イベントで泣いてる表情とかが本当に良くて。そういう個としての強さを持ちつつも、ちゃんとメンバー思いな所があの子を見ていて本当に良いなぁと思えるんですよね。」

 

こんな萌ちゃんが見たい

 

  今後「こんな萌ちゃんが見たい」っていうのはありますか?

 

「そうですね、コスプレ的に言うと『スーサイド・スクワッド』の『ハーレイ・クイン』が見てみたいですね。」

 

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「あの衣装のまま特典会でケツバットをやってほしいですねwただ個人的に言うと、風船ガムよりはチュッパチャップスですかねw」

 

  こだわりが細かいですねw

 

AISで一番好きな曲

  次なんですが、AISで一番好きな曲ってなんですか?

 

「これはスイミングですね。」

 

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  なんか意外です!ちなみにどんなところが好きなんですか?

 

「もちろん曲自体も好きなんですけど、あと僕は当時ちゃんと聞いてなかったのでこれはあくまで推測なんですが、ひょっとするとこの曲のリリース当時は『深田恭子が歌う』ってだけでバカにされてたのかな、とか思うんですよ。でもそういう視線を変に気にすることなく、こういう肩の力の抜けた自然体な曲を歌っていたと考えると、改めてなんか良いなぁと思うんですよね。あとAIS版について言うなら、冒頭に麗愛のセリフが入るバージョンが好きですね。最初は照れてたところから、回を重ねていくにつれ徐々に慣れていく様子を見て、内心嬉しいやら寂しいやら複雑な気持ちですけどw」

 

これからAISにカバーして欲しい曲

 

  それでは、今後AISにカバーして欲しい曲ってありますか?

 

「これは前にゲバラさんも言ってましたけど、Buzyを是非やってほしいですね。『鯨』とか、『あんなにあのコのことを想ってる奴はいなかった』が特に好きですね」

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「あとは観月ありさの『伝説の少女』を陽日ちゃんに歌って欲しいですね。曲自体は20世紀の曲なんですが、セルフカバー版が16年に出てるらしいので一応範囲内ってことでwあとはかつてPerfumeがカバーしていた『Peachy』の『スーパージェットシューズ』ですかね。カバーのカバーとかでなんとか歌って欲しいですね。」

 

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  ちなみに、正規の持ち曲になることはまずないと思うんですが、もし一度限りでもAISがPerfumeの曲を歌うとしたら何を聞きたいですか?

 

「これは『マカロニ』ですね。当然この曲自体も好きなんですけど、これからワンマンとか長尺のライブをやっていくに当たって、途中で視覚的な変化を付けられるスタンドマイク曲が一つぐらいあってもいいのかなぁ、とは思いますね。」

 

AISの魅力とは

  最後の質問なんですが、まっくさんの思うAISの魅力って何だと思いますか?

 

「まずなによりライブが楽しいですよね。メンバーも皆可愛くていい子ですし。でも、アイドルでカバーコンセプトってだけで偏見の眼で見てくる人たちも当然いると思うんです。そういう人たちに対しては本当に『まぁ一度来てみてくださいよ』って気持ちですね。まぁPerfumeの話をすると、彼女たちもブレイク当時は口パクだなんだと散々罵られてたんです。でも応援しているファンからしたら、そういうろくに知りもしない外野からの批判なんてどうでもいいんですよね。そういう意味で言うとAISも『カバーだから聞くに値しない』とか『カバーだからつまらない』みたいなことではないんだよ、っていうのをまず言いたいですね。それに、一度生でライブを見てもらえさえすれば、そういう偏見を覆せるだけの力はあると思うんです。それについては昨年12月9日の千秋楽公演が何よりの証明ですし。まぁ正直あれも『下駄を履かせてもらった』と言えばそれまでなんですが、あの時ピンチに陥ったAISを見て、放っておけずに手を差し伸べた人があれだけいたという事実が全てだと思うんですよね。現場の雰囲気もいいですし。もちろん『主現場を変えろ』とまでは言わないので、『試しに一回どうですか?』と、軽い気持ちで言い続けたいですね。」

 

  そうですね。先日は先輩グループ『アイドルネッサンス』の解散もありグループとして岐路に立たされているこの状況でも、いい意味で自分たちのスタンスを崩さない強さが見て取れるようになってきましたもんね。

 

「そうですね。あとそれについてあえて少し暗い話をするなら、ルネの解散が発表された時に、ネット上でAISに対する呪いの言葉じゃないですが、『なんでAISは残ってるんだよ』みたいな言葉が散見されたんですよ。もちろんメンバー達もそれぞれ思う所はあると思うんですけど、そういうネガティブな意味でのルネの影みたいな物を、吹き飛ばせるだけの可能性はあると思うんです。なのでこう、できるだけ先入観なくというか、本当に『よければ一度来てみてくださいよ』ってことですよね。本当に、『ライブ見てみたい』でもいいですし、『知ってる曲やってたから』でもいいですし、当然『可愛い萌ちゃんに会いたかったからw』でも、理由なんて何でもいいと思うんです。なのでぜひ一度、いま色んなものを身に付けている過程にあるあの子たちを、生で見てあげてくださいと、僕からはそれぐらいですかね。」

 

  ありがとうございます。

 

最後に一言

 

  それでは、最後に何かひとことあればどうぞ。

 

「まずこれはこのインタビュー企画についてなんですけど。おそらく最終回は麗愛ちゃんの回になると思うんですが、その時に、今までインタビューを受けたヲタク全員でゲバラさんを圧迫面接したいですねw6対1の入社試験みたいな感じで鬼詰めしたいですwなんならスパイ尋問みたいな雰囲気でもいいですし、ロケ地が廃工場とかだと更に素敵ですねw」

 

  戦闘中の特撮ヒーローがいつのまにか移動してるでお馴染みの廃工場ですねwただ麗愛ちゃん回の解答者を誰にするかはまだ決めてないんですよねwそれに僕のインタビューを僕がまとめるのは恥ずかし過ぎませんかねw

 

「ただ僕はそういう図が見たいですね。ぜひご検討ください!」

 

  承知しましたwというか最後の一言がそれでいいんですか?wもっとこう、萌ちゃんに対して言いたいこととかあれば言ってもらって大丈夫ですよ?

 

「そうですね、萌ちゃんに対しては…『どんどん出していこうぜ』って感じですかねw」

 

  いいですねw何をとは言わないけど、『どんどん出していこうぜ』とw

 

「そうですねwまぁ少し真面目な話をすると、萌ちゃんにはアイドルとして、『ファンに見せる自分』と『見せずに隠す自分』との板挟みに悩まないでほしいんですよね。もちろんアイドルである以前に1人の人間なので、当然見せたい部分も隠したい部分もあると思うんです。それが自然だと思うんです。だからこそ、無理をして誰かを演じることなく、そのままの萌ちゃんでいて欲しいし、見せたいように見せて、隠したいように隠していて欲しいんです。もちろん、見せてくれる部分については全部受け止めますし、ヤンキー性みたいな変な要素も含めて全部おいしくいただける自信はありますのでwだからこそ、どんどん出していこうぜ!って感じですね。」

 

  本日はありがとうございました!

 

「こちらこそ、ありがとうございました!」

 

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世界一嫌いなアイドル

 

2年前、大好きな推しメンと秋葉原で初めて会いました。

推しメンは少し不器用で、何か失敗する度に舞台上で一人落ち込んでは俯いて下唇を噛むような子でした。

そしてそんな推しメンの隣には、いつも対照的なほどに笑顔の眩しいあの子がいました。

何もかも未経験だった推しメンが当初苦戦していた色んな壁も、気付くとあの子は次々と超えていきました。

歌もダンスも会話も笑顔も、全てがキラキラしていたあの子と、最初は全部がぎこちなかった推しメン。

そんな2人を見ているうちに、推しメンに感情移入した僕は、少しずつあの子を妬むようになりました。

嫉妬するようになりました。

成功しようと失敗しようと、過程が全て絵になって、自然と人に愛されるあの子に嫉妬しました。

推しメンにはできなかった、「私を愛してください」という真っ直ぐな感情表現ができるあの子を見ていると、ひたすら羨ましくて、悔しくて、僻んでしまいました。

推しメンが好きだからこそ、推しメンと仲が良くて、いつも隣にいたあの子に嫉妬しました。

「なんで推しメンじゃないんだろう」

「なんであの子ばかりが愛されるんだろう」

微笑ましい2ショットを見ながら、内心、常に悔しさがありました。

他人の僕が悔しくなるのも変だけど、理由はどうあれ、彼女はそれほどまでに目につく存在でした。

でもその後、推しメンは腐らず努力と工夫を重ねて、少しずつ自分の個性を手に入れていきました。

ただ今思うとそれは、あの時あの子の隣に立っていたからこそだと思います。

キラキラ光る道を歩んでいたあの子を隣で見ていた推しメンだからこそ、人とは違う自分なりの道を進んでいく強さが養えたのだと思います。

だから、今は本当にあの子に感謝しているし、「あの時推しメンの隣にいてくれてありがとう」、「ずっと嫉妬できる存在で居続けてくれてありがとう」と思っています。

 

その後、2人が別々のグループに入った時、「推しメンがあのグループに肩を並べるまでは、なるべく生であの子やあのグループを見ないようにしよう。あの子と話さないようにしよう」と自分の中で変なルールを決めました。

今では、変に意固地になっていてごめんなさいと謝りたいです。

ただ、あの子のおかげで強くなれた推しメンが、あの子に貰った強さで、あの子を超える瞬間を一目でいいから見たかったです。

推しメンが推しメンらしいやり方で、あの子に勝つ光景を見たかったです。

でもそれももう叶いません。

 

今日、あなたは最高にズルい勝ち逃げをします。

これで推しメンは一生あなたに勝てなくなってしまいます。

改めてあなたは、やっぱり僕にとって世界一嫌いなアイドルでした。

僕や推しメンが必死に工夫して光を作っているのを横目に、通った道が自然と光っていくあなたが妬ましかったです。

でも、そんなあなたの存在を無視する事が一度もできなかったのは、きっと僕があなたのことを好きだったからだと思います。

本当は推しメンがあなたを越すまで言う気はありませんでしたが、状況が変わったので悔しいけど言います。

あなたの綺麗な歌が好きでした。

どうか全てに諦めが付くような、美しい勝ち逃げを決めてください。

僕はあなたが大嫌いでした。

大嫌いで大好きでした。

原田珠々華さん、今まで本当にありがとうございました。

どうかずっと、幸せに生きてください。

  

 

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