読むドルヲタ落語「クソリプ指南(あくび指南)」
overture(出囃子)
(※元ネタ「あくび指南」のあらすじ(※動画)
何をやっても続かない飽き性の熊五郎。
これまで色んな習い事をかじってきたが何一つ物にならない。
それどころか、 歌を習えば植木が腐り、踊りを習えば空に円盤が現れるなど、何かしら芸を習う度に事件を引き起こしてきた。
そんな熊五郎が性懲りもなく新たな芸を習おうと指南所へ向かっていると、道で友人の八五郎に遭遇した。
「初めての場所に一人で行くのは心細いし、せっかくなので一緒に行こう」と八五郎を誘う熊五郎。
そんな熊五郎の噂を知っていた八五郎は、一度はその誘いを断るものの、習う内容が「あくび」と聞いて興味が湧き、見学だけならと付いていくことになった。
そうして二人が指南所へ着くと、先生との挨拶もほどほどにいざ稽古へ。
さっそく「丸一日船に揺られる乗客」になりきるという、初心者向けの『夏のあくび』から指導が始まったものの、その内容は、
「お~い…船頭さん、船を上手にやっておくれ…堀へ上がって、一杯やって…夜は遊郭へでも行って遊ぼうか…船もいいが、こう長く乗ってると…退屈で…退屈で…(フワァ~ァ)ならねぇ…」
という長いセリフのある難しいもの。
当然、不器用な熊五郎は四苦八苦する。
途中でセリフを忘れたり、上手くあくびが出なかったり、挙句には間違えてくしゃみが出てしまう始末。
その上熊五郎は「遊郭」のくだりになるといつも話が脱線してしまう。
こうして一向に上達する気配がない稽古を見ていた八五郎が一言、
「おいおい、いつまでくだらねぇことやってんだ。お前らは稽古してるからいいけどよぉ…ただ見てるだけの俺の身にもなってみろ…退屈で…退屈で…(フワァ~ァ)ならねぇ…」
それを見た先生は、
「あら?お連れさんの方がご器用だ」)
(※この物語はフィクションです。諸々ご了承の上でお楽しみください)
えぇ~、毎度いっぱいのお運びをありがとうございます。
久々の「ドルヲタ落語」になりますが、筆者や当ブログのことを最近知ってくださった皆様の中には、このフォーマットを始めてご覧になる方もいらっしゃるかもしれませんネ。
しかし、何てことは御座いません。
言ってしまえばいつも通りの悪ふざけ。
伝統芸能の威光を隠れ蓑に、筆者が安全な場所から言いたいことを言うだけの定期的に出る悪い発作のようなモンです。
特に予備知識などを要することもないので、力を抜いて気楽に読んでいただければありがたいです。
えぇ~、話は変わりますが、
つい先日、怒涛の如く年が明けたかと思えば、もうすでに二月も終わろうかという今日この頃、日々のんべんだらりと暮らしている私ながら、『光陰矢の如し』という言葉が身に沁みる毎日でございます。
中でも特に、生まれながらにして『JCJSしか推せない!』という奇病を患った一部の界隈の皆様に置かれましては、推しが成長していくこの一分一秒の重み、厚み、尊さというものを、桜舞い散る季節を前にひしひしと感じていることでございましょう。
そんな一分一秒を、奇病を患っていない私なりに精いっぱい噛み締めながら、今日もこうして糞の役にも立たないネタブログを真面目に怠惰に書き綴っていきたいと思います。
さて、どれだけ年号が変わろうが、陽キャのキャス民がモイモイ言ってる間にひたすら無為を紡ぐのが陰キャを拗らせたはてブロ民の変わらぬ常。
既に身内ノリが出過ぎてうっすらスベり散らしているラジオブログの全責任を某相方に押し付けつつ、私はこうしてただ一人、券の丘で個チェキに酔うアチャーなヲタ活を引き続きstay nightしていく所存でございます(Heven’s Feelゎ神)
ただアレですね、いい歳こいてこうして一人ネットの海でアクアマンする以外に芸がないというのも、我ながらどうしたものかと思いますね。
昔から「芸は身を助く have Fun」と言うくらいですから、ひどく怠惰な私なりに、ブログで駄文を垂れ流したり、ライブの盛り時にファイボワイパーを咆哮する以外にも、何か真っ当な芸を磨かなければと思う今日この頃でございます。
しかしそんな芸ですが、中には『どんなに磨いてもしょうがない芸』というものもございます。
これから聞いていただくのは、そんな芸にまつわる下らない一席。
どうぞ肩の力の抜いて、最後までごゆるりとお付き合いいただければ幸いでございます。
・・・
飽き性に手足が生えたようなドルヲタの下腹(げばら)。
この下腹、各所で都合のいい事を言っては、数か月単位で現場を変え続けるどうしようもないKSDD。
推してるJCの反抗期が終わり、接触の塩加減が弱まったと思えば「〇〇ちゃんが大人になっちゃった…」とよく分からない病み方をして他界。
瞬時に別グループに乗り換えた先で、「一生〇〇ちゃんしか!」と新たな推しメンに鼻息を荒げた数週間後、お披露目公演で現れた新メンバーに一瞬で心を奪われると、その『グループ内推し変』というハイパーギルティは流れるように元推しに感づかれ、特典会中に背筋の凍る視線を向けられて半分チビりつつ逃げ去るように他界。
それでも懲りずに再度新天地を見つけて通いだすと、今度は前回の反省を踏まえ、しっかり心が決まるまで安易な『しゅきしゅき発言』を控えながら慎重に推しメンを選定した下腹。
そうして辿り着いた新たな推しメンも、推し始めて間もなく若いイケメンのヲタクが推し被りに付いたことから、器の小さい下腹は嫉妬に狂って即他界。
そしてとうとう限界極まる地下現場まで堕ちた下腹は、偶然行った対バンで慣れない地下特有の熱量に当てられ突然開花。
「このグループはアイドルシーンを変える!」と青天井のハイテンションで知り合いに吹聴するまでに入れ込み始め、日々ツーステの練習をしながら忠義溢れるヲタク活動に身を投じ始めるものの、当の推しグループはこれまで散々「このn人でのし上がるんだ!」的なエモいストーリー展開をウリにしていた癖に、気付くとオリジナルメンバーが次々と不審な脱退を遂げていく。
そんな流れに相当なダメージを受けつつも、散々知り合いに大きいことを言ってしまった手前そう簡単には引き下がれず、なんとか気持ちだけで現場に留まった下腹だったが、休む間もなく起こったヤン〇ャン狩りのイキり炎上が決め手となり、とうとうその精神は破綻した。
そうして下腹は言うまでもなくまた他界したばかりか、一時期とはいえその現場に通っていた事実がバッキバキの黒歴史になっただけでなく、一番キマっていた時期のテンションを知り合いに定期的に蒸し返されては酒の席でイジられるという地味に重い十字架を背負うこととなった。
しかしことヲタ活に関してだけは変に打たれ強い下腹。
何度壁にぶつかっても止まることなく走り続けるその姿は、さながらクソガキが狭い児童館内に解き放った暴れミ〇四駆のような微笑ましい趣があり、その限界ぶりは安全圏から静観を決め込むTLのヲタク達を人知れず楽しませるのであった。
そんな下腹がたまたま現場のなかった休日にある場所を目指して歩いていると、向かい側から見知った顔が現れた。
「おっ、誰かと思えば陽太郎じゃねぇの!」
『ゲッ!そういうお前は下腹じゃねぇか!』
幸か不幸か出くわしたのは、下腹のヲタ友の”陽太郎(ようたろう)”だった。
「「ゲッ」とは失礼だな。ようよう、最近の推しメン事情はどうだい?」
『おいおい、主現場が同じなのに「推しメン事情はどうだい?」もクソもないだろ』
このとおり、かつてはまぁまぁリアルに仲の悪かった二人だが、なんやかんやあって今は同じ現場に通っている。
そんな二人が現在応援しているグループとは、ライブの盛り上がりに合わせてヘドバンしながら蹴鞠(けまり)をプレイするパフォーマンスが特徴の、パンクロック平安貴族系アイドル「ケマリスパート」。
(※イメージ)
いわゆる推し被り同士だった前現場ではうっすらギスギスしてた二人だが、色々あってこのケマリスパート現場に落ち着いてからは幸い推しメンも分かれ、こうしてブログで浅くパロってネタにできるくらいにはその関係は修復したのであった。
『ふん、まったく分かりきったことを聞くんじゃねぇや。俺と推しメンの"三井マコ(みいまこ)ちゃん"なら年中無休で絶好調よ!なにせ『#みぃちゃんようちゃん』の仲だからな!』
そう言って陽太郎は誇らしげに上着を脱ぐと、その下からは当たり前のようにピンクの公式Tシャツが現れた。
Tシャツを買う前は「いやぁ~ピンクかぁ~着づらいなぁ~w」とか言ってたくせに、今となっては公式パーカーとセットで当たり前のように普段着として使っている陽太郎。実に良い客である。
『そんなお前は戸田ちゃんとどうなのよ?』
「俺かい?いや、それこそ決まってるじゃねぇか!期間こそ浅いながら、推し始めてからの数か月をすさまじい熱量で駆け抜けたこの俺が、”戸田ちゃん”こと推しメンの”戸田アカネちゃん”と上手くいってねぇはずがねぇじゃねぇか!イカれた企画まで立ち上げて戸田ちゃんに鬼アプローチした甲斐もあって、今や知り合い内でも『下腹=戸田ちゃんヲタ』は揺るがない共通認識だし、オメェみたいにムリヤリ専用ハッシュタグなんぞ作らなくても俺と戸田ちゃんの信頼関係は絶対なのさ」
『ほほう、言ってくれるね。ツアーラストの渋谷ワンマン大団円およびダイエット企画成功の後からしばらくツイートが無くなって、「もしやバーンアウト他界か?」とも疑われた下腹さんがそこまで長文でイキり散らしてくれるとは頼もしいねぇ』
「みなまで言うな。「短期間で気力も体力も使い果たし、しばらくSNS断って隠居してた上に、実はダイエット企画で一番痩せたのは僕の財布でした(ワラ)」なんぞ恥ずかしくて推しメンに言えるわけあるまい」
『なるほどねぇ。オメェのヲタ活も難儀なもんだね。イジって笑うつもりが同情してきたよ。まぁしかし、あれだけ人様を巻き込んだ甲斐あって、企画もキレイに終わったし、結果的には良かったじゃねぇか。(まぁ最終的な企画の着地が美談っぽくなりすぎて、ネタに生きてネタに死ぬネットコンテンツ系ヲタクとしては逆にスベってた感あったのがやや気になったけど、これ直接言ったら傷つくだろうから内心で思うだけにしておくか)』
「おう、ありがとな。カッコ内のパンチが強すぎて序盤の話が全く入ってこなかったけど感謝しておくよ。でもなぁ、やはりヲタクってのは欲深いもんで、俺はもっと戸田ちゃんに推されたくてなぁ」
『あれだけ良くしてもらった癖に、この期に及んで「もっと推されたい」なんてホントに欲張りだねぇ。だいたい推されたいったってどうするんだ?貧民のお前にはこれ以上積んだり、ましてやプレゼント貢いだりはムリだろ?』
「たしかにな。だからこそ俺は工夫するんだ。他のヲタクにはない一芸を身に付けて、ネット経由で戸田ちゃんにアピールしまくるんだよ」
『一芸ねぇ。オメェは定期的にそれを言いだすが、それなら過去に散々挑戦しては失敗してきたじゃねぇか。
よ~く思い出してみろ?以前Twitterで演奏動画を上げたヲタクが推しメンに引用リツイートでチヤホヤされてるのを見て、即行でエレキギターを買ってきたオメェはその後どうした?演奏以前にアンプの接続で苦戦したオメェはひたすら思い付きでガチャガチャやって、しまいにゃ閃光と共にアンプは爆発。近隣住民はパニックになり、地域新聞の一面に『怪奇!地デジ時代に約20年ぶりのポ〇ゴンフラッシュか!?』の見出しが踊ったな。
その後もオメェはまたもTwitterで、推しグループの曲を繋いだオリジナルMix音源を作ったヲタクが同じように推しメンにチヤホヤされてるのを見たな。それからすぐオメェはDJコントローラーを買ってきては、病的な暇さを生かして自宅で下手なDJプレイを一日中続けた。そうしてオメェが垂れ流し続けた爆音は町奉行にまで届き、偶然それを聞いた遠〇の金さんがビートに触発されたことで、それ以降の奉行裁判がフリースタイルバトル形式になったな。そこからヒップホップにドハマりして般若を聞き込んだ金さんは、罪人相手にクリティカルを連発。結果次から次へと罪人が送られてきた収監所は一気にキャパオーバーして治安も悪化。今じゃ関西会場のラ〇ア現場並に荒れてるらしいぞ。
それだけじゃ飽きたらずオメェは次にどうした?またまたTwitterで、今度は絵の上手いヲタクが上げた推しメンとの握手会レポ漫画を見たオメェは、これまたすーぐ影響されて秒でヨド〇シにペンタブ買いに行ったな。そうしてデジ絵の環境を整えたオメェは、早速自分も推しメンとの握手会レポ漫画を描き始めたが、肝心のオメェがコミュ障すぎるせいで、孤独の〇ルメ調のヲタクのセリフがほぼないモノローグ形式になったな。更に作風に引っ張られて絵のタッチまで孤〇のグルメに寄ってきたオメェのレポ漫画はついに公式に見つかって、なぜか題材になった推しメンがドラマのゲストにオファーされて松〇豊と共演を果たす、というシュール過ぎる奇跡を起こしたな。その珍事は一時は話題にはなったもののグループの動員増にはつながらず、結局三日坊主のオメェはすぐに飽きてレポ漫画もさっさと辞めちまったな。『恋人繋ぎ!そういうのもあるのか』じゃねぇんじゃ。
※イメージ
あ~あ、いっぱい喋って疲れちまったよ。
セリフ割り下手だな筆者。
ま、そんなことはいいか。
で、これだけの失敗を経てまだ何かやろうっていうのか?』
「ふん、ずいぶん俺のことに詳しいねぇ。なぁに、次はそう大仰な事をやろうってんじゃねぇ。今度のはシンプルかつ特別なやつだからな」
『特別?なにをやろうってんだい?』
「クソリプだよ」
「そうだ、あのクソリプだ。ドルヲタTLの華にして、悲劇と喜劇の人間交差点ことあのクソリプだ。で、そんなクソリプを学べる所がないかとネットで探していた時に渡りに船でヒットしたのがこれから行こうとしている『クソリプ指南所』ってわけよ。」
『よせよせ!何にせよオメェが変にやる気を出すと決まって珍事が起きるのはさっき散々説明しただろうが!だいたいお前は「自分のリプが知り合いのヲタクに読まれて笑われたらどうしよう…(キモ声)」みたいなしょうもない自意識過剰を理由に、ロクに推しメンにリプを送らねぇじゃねぇか。そのくせ遠征公演直後とかワンマン終わりみたいな「ベタなこと言うだけで100%キレイに収まって好感度も上がる」みたいな美味しいタイミングだけはしれっと140字フルに使って重たいリプ飛ばしやがって。普段しょうもないネタツイートは多い癖にあえてリプの数を絞ってるのは、ここぞという時に送る真面目リプのレア感を演出するための計算だろ?いやぁ~、あまりのいやらしさにドン引きを超えて頭が下がるね!』
「おいしれっと筆者の手口をバラすのはヤメロ!まぁいい。それよりよく聞け?そもそも俺たちは『ヲタクがアイドルに送るリプライ=クソリプ』と思考停止で決めつけているが、実はクソリプには大きく分けて2種類ある。送られたアイドル含め、見た人を楽しませる『光のクソリプ』と、見た人を不快にさせる『闇のクソリプ』だ。俺はこれから前者のスキルを磨いて『光のクソリプ師』になるんだ。」
『ほ~お、無い知恵絞って「光のクソリプ師」とはまた考えたね。しかし現実問題お前のクソリプを見るのは推しメンだけじゃねぇんだし、見る人によって様々な受け取り方になるのは目に見えてるだろ?もし推し被りの目にガチ恋リプなんぞ留まった日には、イベント後の夜道で襲われてリアルストリートファイトが始まるぞ。オメェにその準備ができてるのか?ちゃんと毎晩5000回パンチトレーニングやってるか?ホー〇ーランドやってるか?』
「うるっせぇわ!!!至近距離で煽り散らすな!!!!だがまぁ『同じクソリプでも見る人によって印象が異なる』って意見はもっともだな。たしかに100%善か悪に振り切ったクソリプなんてのは存在しねぇ。光と闇が入り混じったカオスでこそのクソリプだ。要するにシャインとダークでシャダーイクンみたいなもんだな」
『まったく推し運営に媚びる時のフットワークだけは大したモンだなオメェは。全盛期の具〇堅がハダシで逃げ出すぜ。まぁいい、そこまで言うんなら見せてもらおうか。その指南所とやらに通うだけで、オメェが言う「光のクソリプ師」になれるのか。普段あれだけ勿体ぶって日常リプの一つも送れないトゥシャイシャイボーイのオメェが、これから見る人全員を爆笑させる光のクソリプ量産マシンになれるのかどうか、耳クソ程度には興味が出てきた。特別に見学だけならついてってやるよ。』
「テメェ、よくもたった数行で人のSNSハードルを棒なし棒高跳び並に上げてくれたな。俺がケマリスパートのイベントに誘うまで推し現場を求めてさまよう亡霊ヲタだった癖に!もうやめだやめだ!!オメェなんかと芸の稽古になんざ行けるか!!!」
『おい、オメェそれ本気で言ってるのか?』
「いや本気で言ってたら一緒にラジオなんか録ってねぇわ!」
『・・・』
「・・・」
「『へへへッ!!!』」
そうしてクソ長いやり取りの末に結局2人で指南所に行くことになった下腹と陽太郎。
なんやかんやリトルトゥースの絆は深いようだった。
・・・
それから少しばかり歩いて、件のクソリプ指南所にたどり着いた二人。
「すいませ~ん!どなたかいらっしゃいますか~?」
入口に大きく「クソリプ」と書いた看板を見つけた下腹は、さっそく門を叩いてそう呼びかける。
それから程なくして、中から温和そうな老人が出てきた。
[はいはい、なんでございましょう?]
「すいません。いやね、そこの看板にも書いてあります「クソリプ」ってのを、ひとつ教えてもらいたいなぁと思って来たんですけども。」
[あぁ、稽古をご希望の方でしたか。よくぞいらっしゃいました。ささ、それでは中へどうぞ。]
「すいませんね、じゃあ失礼いたします。おっと、ちなみに芸を習いたいのは自分だけで、こいつはただの見学なんですが一緒に入ってもいいですかね?」
[えぇ、構いませんよ。無銭観覧の方も一緒にどうぞ]
『おい人をリリイベ専のピンチケみたいに言うな』
「まぁそう怒るなって。オメェは大人しく、どんどん上達する俺を見ときなっての。ささ、部屋にも着いたことだし、さっそくですが先生、私にクソリプをご教授いただけますでしょうか」
[よろしいでしょう。まず簡単な説明から入りますと、クソリプと一口に言っても色々な種類があります。王道のオジサンリプ、直球のセクハラ系、100%要らない知識を差し込むクソバイス系、誰も聞いていない個人情報を自己申告してくる「ちなみに俺は~」系、単に意味の分からないイミフ系…と、挙げればキリがないほどにヲタクのクソリプというのは多種多様でございます。そのためこうした系統別に加え、春夏秋冬の季節に沿った様々なクソリプを状況に応じて使いこなせるようになるには、決して一朝一夕ではいきません。]
「なるほど!やっぱりクソリプってのは奥が深いんだな!俄然燃えてきましたよ先生!」
そう言って目を輝かせる下腹。
対してそれを遠巻きに見る陽太郎は、
『ふん、何を張り切ってやがんだ。たかがクソリプ、何も考えずにパッと送っちまえばそれでおしまいじゃねぇか。』
と、冷めた様子。
そんな陽太郎に構うことなく、稽古は先へと進んでいく。
[お、やる気があっていいですね。ところであなた、今までクソリプを稽古したご経験はありますか?]
「いえ、これが初めてです」
[よろしい。では初心者向けの「推しの自撮りツイートへのクソリプ」から教えましょう。まず私が手本をやってみますから、よく見ててください。
状況は、やっと仕事の終わった金曜日。
汗を拭って帰宅して、ふとスマホを見ると一件の通知。
どうやら推しメンが上げた自撮りツイートの通知だと気付きます。
その通知をタップして、推しメンの素晴らしい自撮り写真を確認したら、すかさずこう言います。
「ふぅ~、平日現場が少ないのは辛いが、こうして今週も一山超えて、ようやく明日はイベントで〇〇ちゃんに会える。そんなタイミングでこの自撮りたぁ、実質私信もいいとこだね。他の現場もいいけれど、やっぱり俺には〇〇ちゃんだな。はぁ…〇〇ちゃん…好き///」
…と、こんなかんじですな。
なお、「〇〇ちゃん」には自分の推しメンの名前を入れてください。
ポイントは週末特有の疲労感をどう出すかという所と、「はぁ…〇〇ちゃん…好き///」というセリフをちょうど言い終わったタイミングで、同じフレーズをリプで飛ばすことです。このタイミングがキモになります。リプを送るのが発声より早過ぎても遅過ぎてもダメで、ちょうど言い終わった瞬間に送るからこそ、その時の感情が100%リプに乗り、より純度の高いクソリプが完成します。ぜひここを意識して実際にやってみてください。]
「ほほぉ、こいつぁ驚いた。クソリプにセリフがあるってのかぃ。しかもこんなに長いセリフとは夢にも思わなかった。そんで俺の場合は「〇〇ちゃん」のところが「戸田ちゃん」になるわけだな!まぁ考えるより物は試しだ。いっちょやってみるかい!
えぇ~、ゴホン!
「ふ、ふぅ~。へ、へ、平日現場が水曜日ぐらいにあると、週にハリが出て嬉しいネェ~」」
[いやいや、最初から間違えてますよ。何ですか?「平日現場が水曜ぐらいにあると嬉しい」って。そんな凡ヲタの一言日記みたいな意見はいいんですよ。いいですか?クソリプってのは何も送られる文章だけを指すんじゃありません。そんな駄文をしたためて、実際に推しメンに送るまでの過程のすべてを指すのです。なので上質なクソリプは、送るまでの情景をいかに表現するかが重要になってきます。さて、お分かりいただけたらもう一度、今度はセリフに忠実にやってみてください。]
「なるほどね。まさかクソリプ一つでここまで真剣にアドバイスを貰うたぁ思わなかった。これはより一層マジメにやらないと、ってなもんだね。
ん、ん~!ゴホゴホ!ゴホン!
「ふ、ふぅ~、へ、平日現場が、す、少ないのは辛いが、こ、こうして今週も一山超えて、よ、ようやく明日はイベントで、戸田ちゃんに会えるなぁ!そ、そんなタイミングでこの自撮りたぁ、こ、この自撮りたぁ…まぁ、少なくとも俺みたいな弱ヲタへの私信ではないだろうな…」」
[いやネガティブ!!なんでそこで後ろ向きになるんですか!?いいですか?実際のところ私信か私信じゃないかなんでどうでもいんです。ただ、「これは推しメンが自分に向けた私信だ!」と根拠のない自信を持つことで、ヲタクの背筋はピンと伸び、明るく前向きなヲタ活に繋がっていくんです。「”私”宛てだと”信”じる」と書いて「私信」なので、これはもう一種の自己暗示のようなもんです。いっそ振り切ってバカになるくらいの明るさでいいんです。さ、もう一度やってみてください。]
「いやぁ~、ついいつもの悲観グセが出ちまったね。さてさて、ポジティブに、前向きに…ね。よし!
えぇ~、ゴホン!
「ふ、ふぅ~、へ、平日現場が少ないのは辛いが、こ、こうして今週も一山超えて、よ、ようやく明日はイベントで戸田ちゃんに会える。そ、そんなタイミングでこの自撮りたぁ、じ、実質私信もいいところだね。ほ、他の現場もいいけれど…他の現場も…ん?他の現場?…ん~他の現場…といえば、まずは”意地コン”こと”意地のコンプライアンスガール”かね。あそこはたしかにレギュは高いが、それに見合うだけライブも曲もハイクオリティだしな。あとは最近だとナップザックガールズ(2)も熱いな。名物パフォーマンスの鼻リコーダーも、鼻フルート、鼻トロンボーンと少しずつ大きい楽器に進化していって、最終的に鼻チューバを成功させた時は感動で胸が熱くなったね。あと本家ヘロプロで気になるのはやっぱり”野武士ファクトリー”かな。迷走する糞事務所の大組閣の中で”追加メン”というカンフル剤もなくデビュー時からのオリメンだけでひたすら戦い続けているところに好感が持てるね。順調な後輩グループ達が自身を差し置いて優遇され続ける影で、それでも歯を食いしばって無言で外部対バンに繰り出すプライドと凄味が堪らねぇじゃねえの。そうそう、最近追加メン入ってこれからが楽しみって意味ではラジカル・ポンチメインからも目が離せな…」」
[いやいや、なにをひたすら喋り続けてるんですか!?あれだけネガっ気吐いてた癖に、他現場の話だと一気に前向きになるじゃないですか。いいですか?このクソリプは単推しヲタクが推しメンに対して限界マインドを拗らせることで成立するんです。あなた自身のヲタ気質がKSDDなのはいいですが、ここでは設定に忠実にやってください。さぁ、分かったらもう一度。]
「いやぁ~、普段から色んな方向にアンテナを張っていると、こういう時に変に喋り過ぎちまうから良くないね。
ま、セリフも少しずつ頭に入ってきたし、そろそろ華麗に決めてみせるから見ててくださいよ。
ん~、ゴホゴホ!ゴホン!
「ふぅ~、平日現場が少ないのは辛いが、こうして今週も一山超えて、ようやく明日はイベントで戸田ちゃんに会える。そんなタイミングでこの自撮りたぁ、実質私信もいいとこだね。他の現場もいいけれど、やっぱり俺には戸田ちゃんだな。はぁ…戸田ちゃん…す…す…スイパラいこ?」」
[いや女子!!!せっかく途中完璧だったのに最後女子!!!]
「いや、あの…ヒプマイコラボにつられてつい…やっぱ銃左と幻帝は安定してアツいなって…」
[いやとっくにヒプマイ振り切ってヒ腐マイ入ってるじゃないですか。どうせほぼ読まれない長文ネタブログだからって、普段ツイートしづらいネタを平然と差し込まないでください。そもそもドルヲタ向けのブログでこういうトガった2次元ネタ振るのはよくないでしょ。元ネタわかんなきゃ地獄を見るコースですよ?]
「いやぁ、何から何まで仰る通りで。
じゃ、気を取り直してもう一回…」
…と、粘り強いと言えば聞こえはいいが、何度やっても一向に上達の気配が見えない下腹。
一方その様子を推しメンの配信を見る片手間でぼんやり眺めていた陽太郎だったが、稽古が予想を超えて大幅に長引く中、キャスもShowroomも終わっていよいよ退屈になると、だんだん自分一人が蚊帳の外にいるこの状況に腹が立ってきた。
しだいに苛立ちは抑えきれなくなり、陽太郎は依然くだらない稽古に励む二人に向かって、大きな声で文句を言い始めた。
『おうおうおう!!!大の大人が2人して、いつまでくだらねぇ稽古つけてんだ!?やってるオメェらは夢中でふざけてて楽しいかもしれねぇけどなぁ、見てるこっちの身にもなってみろ?そりゃあもう退屈で、退屈で…』
\ピロ~ン/
『ん?』
そうして陽太郎が不満を爆発させていると、間に割って入るようにマヌケな通知音が一つ鳴った。
『お、なんだなんだ?って…あっ♡』
自身のスマホを確認すると、一瞬で表情筋がゆる〇るモになる陽太郎。
それもそのはず。先ほどの通知音は、推しメンの三井マコちゃんの自撮りツイートのアップを知らせるものだった。
すると先ほどまでの苛立ちもどこへやら。
すぐさま陽太郎の頬とTシャツは、揃って綺麗なピンク色となった。
次いで速やかにそのツイートをふぁぼった後、流れるようにリプを送る態勢に入った陽太郎は、まるで目の前に推しメンがいるかのように、スマホ相手に話しかけ始めた。
『ふぅ~、こうして土曜に推し現場がないのは寂しいが、今日も他現場に行かず支出を抑えて、ようやく明日はイベントでみぃちゃんに会える。そんなタイミングでこの自撮りたぁ、もはや私信に違いねぇ。他に現場はいくつあっても、今の俺にはみぃちゃんだけだな。はぁ…みぃちゃん…好き///』
と、言い終わると同時に絶妙なタイミングでリプを飛ばす陽太郎。
するとその様子を見ていた先生が一言。
[あら?お連れさんの方がご器用だ]
【終】
ドルヲタラジオ『不屈のハイボール』/第3回「1兆テラあるじゃん?」
《概要》
ラジオとハイボールが好きなドルヲタ2人の無駄話です。
《出てる人》
『しょうたろ(@state20)』
【特徴】
・引き笑いうるせぇ方
・自分で言って自分で笑う方
・年上の方
・酒カス
・割と一途
・ラジオの原体験は「ナイナイANN」
・クマリデパートは優雨ナコちゃん推し
クマリデパート・優雨ナコちゃん(@qumali_yuu)
『チェる・ゲバラ(@Aruiteru_4329)』
【特徴】
・喋り方ヲタクっぽい方
・ちょいちょい口悪い方
・年下の方
・最近ダイエット達成した方(※詳細)
・このブログ書いてる方
・割とDD
・クマリデパートは小田アヤネちゃん推し
クマリデパート・小田アヤネちゃん(@qumali_ayane)
《第3回「1兆テラあるじゃん?」》
【今回の内容】
『クマリデパート・ライブダイジェストDVD飲酒実況inカラオケ(1/3)』
先日終わったリリースイベントでのCD購入特典だった『クマリデパート2ndワンマンライブダイジェストDVD(※非売品)』を都内某所のカラオケに持ち込み、昼から飲酒をキメるダメなヲタク2人で鑑賞&実況した音声を3回に渡って半強制的にお届け。
(※所々発言の内容が間違ってたりしてますが、酔っ払いのタワゴトと思って見逃してください)
(※ご意見・ご感想などございましたら以下フォームよりお寄せください)
断チェキダイエット終わりました!
まえがき
こんにちはチェる・ゲバラ(@Aruiteru_4329)です。
私事ですが、2018年12月中旬から始めた個人的なダイエット企画が先日2/3に終わりました。
「なにそれ初めて聞いたわ~」って人は詳細コチラなのでよければ見てみてください。
まぁザックリ言うと「10kg痩せるまで推しメンの小田アヤネちゃんとのチェキ撮影や会話はおろか特典会の場に居合わせることもできない」という、ヲタクの心と体を同時に追い詰める実にマゾい企画を思い付きで始めてしまった昨年末の愚かな僕だったわけです。
クマリデパート・小田アヤネちゃん(@qumali_ayane)
で、なんやかんやあってその「断チェキダイエット企画」は、あらかじめ期限として設定していたクマリデパートのライブツアー最終日に当たる2/3を以て終了したので、今回はそのまとめというか、一連の流れを軽く振り返りつつの最終結果報告ブログになります。
できるだけサラっと読めるように書いたので、お時間許す限りお付き合いいただければ幸いです。
結果発表
まず結果から言うと、「12/12から翌年2/3までの約1ヶ月半で、トータル約12kgの減量(※スタート時92kg→79.9kg以下)」という目標は、期限ギリギリでなんとか達成する事ができました。
12/12スタート時(92kg)
2/2時(79.65kg)
(※経過はこちらにまとめています)
代行チェキ
そして本企画内の救済ルールとして設定した「代行チェキ」について。
目標達成まで自ら特典会に行けない代わりに、ヲタ友に特典券を預けて小田ちゃんのワンショットチェキを撮ってきてもらうことが可能。
ただし同じ相手に代行を頼めるのは原則一回まで。
というルールで行った代行チェキですが、最終的には総勢30人もの方にお願いすることができました。
これは僕が今まで通ってきた各現場でできた友人達が助けに来てくれたり、これを機にクマリの現場で新たに仲良くなれた皆さんが助けてくれた結果だったので、人数や内容以上に僕の思いを汲み取って協力してくださった方々一人一人のお気持ちが嬉しかったです。
この場で改めて感謝いたします。
ありがとうございました。
(※内容はこちらにまとめています)
所感
正直なことを言うと、この企画を始めた経緯はなにもかもが勢いと思い付きだけだったので、上手くいく確証も、体重を落とす自信もまったくありませんでした。
ただこの奇妙で独りよがりな挑戦の根底にあった「クマリデパートの東名阪ツアーを界隈を超えて拡げたい。盛り上げたい。」という気持ちだけはなんとかブレることなくやり切ったと思っています。
まぁ、いざ蓋を開けてみたらツアーは大盛況で終わっただけでなく、名古屋と渋谷ではソールドアウトを記録するなど結果的に万々歳な内容となったので、冷静に考えると僕なんかがこんな差し出がましい真似をする必要もなかった気もしますがw
ただ、この企画を始める前には全く予想していなかった嬉しいことが次々と起こったので、それらについてはここでしっかり記録すると同時に、改めて各所への感謝を綴りたいと思います。
推しメンと一緒に頑張れたこと
まず何よりも嬉しかった事はこれでした。
もちろん、リリイベ・ライブ・レッスン・ツアー・撮影…etcと過密なスケジュールを戦い抜いたクマリの4人およびスタッフさん方には遠く及びませんが、僕もそれに平行して、推しメンの小田ちゃんに再び会う為にひたすらダイエットに励めたことを、やっていた最中は辛かったですが、今振り返って思えば幸せだったと思います。
ヲタクは好きな時にSNSを開いて、ライブを見に行って、特典会に行くなどして"好きな時だけ"ヲタクになりますが、対してアイドルはライブや特典会の時間以外も、レッスンやSNSの更新に割く時間、そして撮影やステージに備えた体調管理や食事制限、プライベートで街を歩いている時にファンに声を掛けられる可能性なども考えると、本当に24時間アイドルをやっているように思います。
もちろん「趣味と仕事」という線を引いてしまえばそれまでですが、同年代の一般人と比べ、プライベートの大部分を費やしてまでアイドルの道を進もうとする推しメンに対し、「その辛さ苦しさを理解することはできなくても、せめて『共感したい』という姿勢を取ることはできるだろう」という発想から、「自身の生活を絡めて、自分も24時間ヲタクをやってみよう」と考えたことが、個人的なこの企画の芯となりました。
そしてこの最初の発想が、こののちに待っていた嬉しい誤算やありがたい気付きにつながることとなりました。
応援されることの嬉しさ
それは一言でいうと「応援されることの嬉しさ」という表現に尽きます。
というのもこのダイエット期間中、ありがたいことに、先述した『代行チェキ』というルールを通して現場で多くの友人ができたのですが、その中でこの企画を理解してくださった方から僕に対して「応援してます!」「頑張ってください」と嬉しい言葉をたくさん掛けていただきました。
僕自身、ドルヲタとして本格的に現場デビューしてから約4年余り、当然ながら「人を応援する経験」はいくらでもあっても、「人から応援される経験」というのは今回が初めてでした。
もちろん、アイドルに向けるそれとは形式から熱量までそもそも何もかもが別物ですが、それでも自分がガムシャラになって何かに励んでいる時に、いろんな方から応援の言葉をいただけるという事について、いざ今回経験してみて、想像をはるかに超える嬉しさがあり驚きました。
それと同時に、こんなに嬉しい「応援」という気持ちを、わざわざ色んな人が時間とお金と労力を割いてまで伝えに来てくれるアイドルというのは本当に幸せな存在なんだなと少し羨ましくも思ったし、ヲタクが推しメンに元気や笑顔をもらっているのと同時に、実はヲタクも想像以上に推しメンに幸せを与えているんだなと、実際にヲタクに応援された経験を通して強く感じました。
なので、何の根拠もない上に「お前誰目線だよ?」感がスゴいですが、もしこの文章を今応援している大好きな推しメンのいるドルヲタの方が読んでくれていたら、次のことを伝えたいです。
あなたはあなたが思っている以上に、あなたの推しメンのことを幸せにしています。
どうかそのことに自信を持って、限りある今を精一杯楽しみながら、全力で大好きな子を応援してあげてください。
そして、このことに気付けたのも代行で僕を助けてくださった多くの方がいてくれたからであり、その人達と僕を繋いでくれたのは、歴代の推しメンをはじめ、これまで僕が通う現場を作ってきてくれた全アイドル及びスタッフさんなので、仮にグループが終わりを迎えて好きな現場がなくなっても、そこで過ごした時間がこうして場所を変えて生き続けることを強く感じたし、『これまで』と『今』が組み合わさって『これから』に繋がっていく実感と、そのありがたさを噛み締めました。
ちなみに代行チェキの裏テーマは、
①代行してくれた人全員に僕の大好きな推しメン・小田ちゃんを「ね!小田ちゃんめっちゃ良い子でしょ?ね?ね!?」と暗に自慢すること
と、
②僕に優しくしてしてくださった自慢のヲタ友さん方を逆に小田ちゃんに自慢すること
だったので、結果的にその両方が叶って僕は密かに鼻が高かったです(※実際は低いです)
さいごに
まぁここまで自分勝手に語ってきましたが実はそうキレイな話ばかりではなく、ダイエット停滞期かつ目の前にいる推しメンと話しに行けないストレスから、親しいヲタクに八つ当たり散らしたりもしたんですが(本当にすいませんでした汗)、なんとか期限ギリギリに目標体重まで落とせて、ツアーラストで無事再会チェキを撮れてよかったです。
そんな再会チェキ当日、小田ちゃんと直に話すのは二か月ぶりだったので、待機列では内臓ごと吐きそうなくらい緊張してたんですが、いざ順番がきて撮りに行ったと思ったらバンジーを飛ぶようにあっという間に会話が終わっていました。
ちなみにこの時の僕の接触を間近で観察してたヲタ友さん方に後々「どうでした?」と聞いたところ、口々に「マジでエモかった」的なこと言ってたので、自分ではよく分かりませんが多分良かったんだと勝手に思っていますw
【2/3@ツアーラスト渋谷】
— チェる・ゲバラ (@Aruiteru_4329) February 4, 2019
2ヶ月ぶりに自分で撮りに行けた小田ちゃんチェキ。
内心待機列の時点で吐くほど緊張してたんですが、いざ話したらいい意味で小田ちゃんのまんまだったのがとても嬉しかったです。
ツアー完走おめでとう!#クマリデパート東名阪ツアーするってよ #断チェキダイエット代行録 pic.twitter.com/1nAtcUptrJ
小田ちゃん、ホントにありがとな。#クマリデパート#断チェキダイエット代行録 pic.twitter.com/x1PE6foNIt
— チェる・ゲバラ (@Aruiteru_4329) February 4, 2019
それでは、大雑把なまとめ方でしたが本企画はこれで終了となります。
少しでも面白がってくれた全ての皆さんに感謝を!
見てくださった皆さんのおかげで、苦しかったけどその分本当に楽しかったです。
あともう二度とやりませんw
お疲れした!
お粗末!
P.S.
『ゲバラがダイエット停滞期で心折れそうだった時にすがりついた映像媒体ランキングTOP3』
【第3位】
『クリード 炎の宿敵』
【第2位】
『はじめの一歩~鷹村VSホーク戦』
【第1位】
『モーニング娘。'14 コンサートツアー2014秋 GIVE ME MORE LOVE ~道重さゆみ卒業記念スペシャル~』
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おやさゆみん♪(低音)
ドルヲタラジオ『不屈のハイボール』/第2回「クマリデパートツアーラスト応援特別企画!」
《概要》
ラジオとハイボールが好きなドルヲタ2人の無駄話です。
《出てる人》
『しょうたろ(@state20)』
【特徴】
・引き笑いうるせぇ方
・自分で言って自分で笑う方
・年上の方
・酒カス
・割と一途
・ラジオの原体験は「ナイナイANN」
・クマリデパートは優雨ナコちゃん推し
クマリデパート・優雨ナコちゃん(@qumali_yuu)
『チェる・ゲバラ(@Aruiteru_4329)』
【特徴】
・喋り方ヲタクっぽい方
・ちょいちょい口悪い方
・年下の方
・最近ダイエットしてる方(※詳細)
・このブログ書いてる方
・割とDD
・クマリデパートは小田アヤネちゃん推し
クマリデパート・小田アヤネちゃん(@qumali_ayane)
《第2回「クマリデパートツアーラスト応援特別企画!」》
【今回の内容】
賛否両論あるでしょうが、珍しくめっちゃ真面目にやったので聞いてもらえるとありがたいです。
内容は聞いてお確かめください。
(※不愉快だったら即ブラウザバック推奨です)
(※ご意見・ご感想などございましたら以下フォームよりお寄せください)
ドルヲタラジオ『不屈のハイボール』/第1回「山に行け。」
《概要》
ラジオとハイボールが好きなドルヲタ2人の無駄話です。
《出てる人》
『しょうたろ(@state20)』
【特徴】
・引き笑いうるせぇ方
・自分で言って自分で笑う方
・年上の方
・酒カス
・割と一途
・ラジオの原体験は「ナイナイANN」
・クマリデパートは優雨ナコちゃん推し
クマリデパート・優雨ナコちゃん(@qumali_yuu)
『チェる・ゲバラ(@Aruiteru_4329)』
【特徴】
・喋り方ヲタクっぽい方
・ちょいちょい口悪い方
・年下の方
・最近ダイエットしてる方(※詳細)
・このブログ書いてる方
・割とDD
・クマリデパートは小田アヤネちゃん推し
クマリデパート・小田アヤネちゃん(@qumali_ayane)
《第1回「山に行け。」》
【今回の内容】
トーク企画『5択で御託』
①2人がそれぞれ話したいテーマを紙に5つ書き出す
②書けたらその紙を交換する
③交代に相手の紙から気になったテーマを選択。
④言われた方はそれについて話す。
⑤それだけ
【しょうたろテーマ】
…5つじゃねぇな(いま気付いた)
【チェる・ゲバラテーマ】
(※録音していたサ〇ゼリヤに団体客が押し寄せたため後半ザワついてます)
(※ご意見・ご感想などございましたら以下フォームよりお寄せください)
ドルヲタラジオ『不屈のハイボール』/第0回「事故紹介」
《概要》
ラジオとハイボールが好きなドルヲタ2人の無駄話です。
《出てる人》
『しょうたろ(@state20)』
【特徴】
・引き笑いうるせぇ方
・自分で言って自分で笑う方
・年上の方
・酒カス
・割と一途
・ラジオの原体験は「ナイナイANN」
・クマリデパートは優雨ナコちゃん推し
クマリデパート・優雨ナコちゃん(@qumali_yuu)
『チェる・ゲバラ(@Aruiteru_4329)』
【特徴】
・喋り方ヲタクっぽい方
・ちょいちょい口悪い方
・年下の方
・最近ダイエットしてる方(※詳細)
・このブログ書いてる方
・割とDD
・クマリデパートは小田アヤネちゃん推し
クマリデパート・小田アヤネちゃん(@qumali_ayane)
《第0回「事故紹介」》
【今回の内容】
事の経緯の説明と自己紹介。あと雑談。
「冒頭~しょうたろ自己紹介」
「ゲバラ自己紹介~雑談」
(※ご意見・ご感想などございましたら以下フォームよりお寄せください)
ドルヲタにオススメの恋愛映画3本
はじめに
おいでませませ旅の方!
地獄めいたタイトルに物怖じせずよくぞ当記事の扉を叩いてくださいました!
多謝!そしてあけおめ!(遅)
まぁ年が変わっても相も変わらずのドルヲタブログなのですが、今日はいつもと趣向を変えて、個人的にオススメな映画を紹介していこうと思います。
そして今回のテーマはズバリ『ドルヲタに見て欲しい恋愛映画』です。
※でもガチ恋はほどほどにね!!!
内容としては、推しメンへの熱い気持ちゆえ日頃割と思い悩みがちな『ドルヲタ』という生き物について、その悲しくも愛おしい苦悩の解決に役立つ(かもしれない?)3本の恋愛映画を紹介します。
構成としては、まず各映画のあらすじとオススメポイントを紹介、その後に各映画のネタバレありの僕の感想を書いていきます。
なので各々の興味の範囲で、各作品の鑑賞前/後に分けて気になった箇所を拾い読みしてもらえれば幸いです。
なお今回紹介する映画はそこそこの大きさのTSUTAYAに行けばどれも普通に見つけられますし、内2本はアマゾンプライムでも観ることができました(※2019年1月2日時点)ので、よければ見てみてください。
それでは前置きが長くなりましたが以下より始まります。
- はじめに
- DD過ぎる貴方へ「脳内ポイズンベリー」
- 『カワイイ』の意味って何?「おんなのこきらい」
- 誰かの特別になるということ「空気人形」
- 途中休憩
- ネタバレ感想「脳内ポイズンベリー」
- ネタバレ感想「おんなのこきらい」
- ネタバレ感想「空気人形」
- さいごに
DD過ぎる貴方へ「脳内ポイズンベリー」
【あらすじ】
「優柔不断女、脳内会議、炸裂!」
何か決断に悩むとき、誰もが脳内で会議をしている。
主人公の櫻井いちこは30歳(無職)。ケータイ小説で小金を稼ぐ、めちゃくちゃ優柔不断な女性だ。優柔不断すぎて彼女の脳内会議はいつもドタバタなのだ。彼女が何かに悩むとき、理性の吉田、ポジティブ担当の石橋、ネガティヴ担当の池田、問題児ハトコ、書記の岸、5人のキャラクターが脳内で会議を執り行っている。
実年齢よりかなり若く見えるためか、彼女の周囲には絶えず男が寄ってくる。最初の出会いは飲み会で出会った年下男性・早乙女亮一(23)。美大出身で不思議な雰囲気を醸し出すアート系男子。次に出会ったのが出版社に勤務するエリート社員、越智。結婚するには丁度良い。この二人の間で、優柔不断ないちこの心は揺れまくる。揺れる度に行われる脳内会議・・・。しかし、脳内はどいつもこいつも曲者ばかりで、なかなか決断が出来ない。いちこの恋はいったいどうなってしまうのか。
(※引用元)
【ドルヲタ的おすすめポイント】
これはズバリ「DD過ぎるアナタ!!!!」に見て欲しい映画です(自戒を込めて)
というのも、本作のストーリー展開は主人公の”櫻井いちこ(真木よう子)”が、”アート系イケメンフリーター早乙女(古川雄輝)”と、”穏やかな平凡リーマン越智さん(成河)”との間で揺れ動くところがメインになるのですが、僕はこの構図を「推しメンを2人から先に絞れないDDヲタク」に重ねて見てしまいました。
更に状況を具体的に言うと、主人公のいちこは童顔で年齢より若く見えるものの「30歳かつフリーター」という我が身を気にしており、現実的なことを考えれば「アートで成功する」といういつ叶うか分からない夢を追いかけるイケメンフリーターの早乙女よりも、地に足のついた社会人であり、気遣いもできて真面目な越智さんの方が今後のパートナーとしては絶対的に「正解」の選択肢に見えてしまう、という流れです。
しかし、一緒にいる時にトキメキを感じさせてくれるのはやはりどう考えても早乙女で…というなんとも「さんかっけー」な話でございます。
たしかに同じくらい好きな推しメンがそれぞれ別のグループに1人ずついる状況を考えると、「同じ日の同じ時間にイベ被りした際にどちらに会いに行くか問題」って、端から見ると一見下らないようで実はヲタクにとっては結構深刻な悩みだと思うんです。
というのも、その選択は単純な両推しメンへの好き度合いだけでなく、各会場への距離、各現場での知り合いとの人間関係、それぞれのレギュレーション(所要金額)…など、単純な二者択一に見えて実は幾重にも複雑な要素が絡まり合った末に選択を強いられる難解な2択であることに気付かされるからです。
そんな時ヲタクも本作の主人公・いちこのように"脳内会議"をすると思うんですが、その際に自分の中での『絶対的結論』とまではいかなくても、”自分が後悔しない選択を導き出すためのヒント”が、この作品には込められているように感じました。
行くかどうか迷っているうちに前売予約が終わっていて、無駄に当日券の割増料金を払う事が多かったり、どのメンバーのチェキから撮るか悩んでいるうちに推しメンの列を切られてしまうことが多い…などなど、単なるDD問題を超えて優柔不断で損をしやすい全ヲタクに見て欲しい映画です。
『カワイイ』の意味って何?「おんなのこきらい」
【あらすじ】
「”カワイイこと”が生きてる意味」
カワイイことだけが取り柄のOLキリコ(森川葵)はカワイイ食べ物を過剰摂取しては吐く、過食症の女の子。男にはチヤホヤされるが、女には嫌われている。だが「女の子の価値は可愛い事が全て」と信じて疑わないキリコに怖いものはない。
そんなキリコには好きな人・バーで働くユウトがいる。ユウトとは友達以上・恋人未満の煮え切らない関係が続いていた。ある日、仕事でアクセサリー作家のコウタと出会うキリコ。いつも通り、媚びを売って仕事を得ようとするキリコのことをお見通しのコウタ。最初は険悪だったキリコとコウタだったが、次第に本音をさらけ出せるような友達になっていく。一方、ユウトの働くバーに新しく来たバイトのサヤカ。始めて会った時から、キリコはサヤカのことが気に入らない。ユウトともぎこちない空気が流れ始めていた。そんな時、バーで働いていたケンジから「サヤカがユウトさんと付き合っていると言っている」と聞かされる。キリコは自尊心を傷つけられ、怒りと悔しさはついに爆発。そんな最悪の時に、駆けつけてくれたのはコウタだった。コウタの飾らない優しさに触れ、自分を取り戻していくキリコ。今度こそ、本当の幸せを掴みに行こうとするが…。
(※引用元)
【ドルヲタ的おすすめポイント】
この映画はまずとにかく森川葵が終始カワイイんですが、その「カワイイ」という事こそが一貫したテーマになっている作品です。
というのも、この映画は前半と後半で主人公のキリコ(森川葵)の”カワイイのニュアンス”が180度変わるんです。
その変化についてはぜひ本編を見て欲しいんですが、それに関して一度ここで考えてみて欲しいのが、改めて『カワイイ』って深いな、という事です。
アイドルにすぐ『カワイイ!』を連発してしまう人へ
男の僕の目線から見て、少なくとも男の思う『カッコよくなりたい』という感情は、その大部分が「異性にモテたい」からくるものだと思います。
対して女子の思う『可愛くなりたい』という感情は、同じく大部分が男同様に『異性にモテたい』という理由からくるものかと考えると、決してそうじゃない気がします。
よく女子の服装を見た無神経な男が「それ男ウケ悪いよ」と言って、『別に男にウケるために服選んでるワケじゃないから!』とキレられるみたいな話がありますが、それっておそらく「可愛くなりたい」と思う女子1人1人に『理想とする自分像』があるからではないでしょうか。
考えてみれば、単純に男よりも服装や髪型のパターンが圧倒的に多い女子にとっては、「カワイイ」へのアプローチも多種多様です。
その分「カワイイ」をどう捉えるかも1人1人違います。
”何のために”、”どうやって”、”どのように”可愛くなりたいかは、当然ですが1人1人違います。
ここで話を戻すと、先ほど言った通りこの映画は話の前半と後半で主人公キリコの『カワイイのニュアンス』が変わるんですが、それはなぜかというと『何のために可愛くなりたいか』という目的の部分が大きく変わったからです。
それによってどんな変化が起きたかは重ね重ねですが本編を見てもらうとして、普段口を開けばアイドルに「カワイイ!」ばかり言ってるヲタクの皆さんには、自分がその子の『何』を『どう』可愛いと思ったのかについて、一度真剣に考えてみて欲しいと思います。
そうして自分が現状のその子の『何を可愛いと思っているのか』、そして今後その子が『どう可愛くなりたいのか』について思いを巡らせる発想があれば、推しメンの細かな変化に気づけたり、本人が努力している部分をより見つけてあげることができたりと、口にする褒め言葉の厚みと信頼度が上がるのではないでしょうか。
と、ここまで偉そうなこと言ってきた僕も、いざ特典会で推しメンを目の前にすると「〇〇ちゃんカワイイ~♡」ばかりを連発しまうダメ野郎なので、そういった自戒も込めてここまでの文章を書きましたw
とにかく!!!
たった4文字で全てを丸く収める『カワイイ』というマジックワードに頼り過ぎず、1人1人個性ある魅力的な推しメンに対しては、同じく1人1人への特別な『カワイイ!』という気持ちを誠心誠意伝えていきたいですね。
そんなこんなで、推しメンに対して簡単に「カワイイ!」と連発してしまうヲタクにこそ見て欲しい一本です。
誰かの特別になるということ「空気人形」
【あらすじ】
「心を持ったラブドール」
ビルや住宅が立ち並ぶ都会の、古びたアパートに住む中年男性である「秀雄」は、仕事から帰宅するとラブドールの「のぞみ」に話しかけ、食卓や入浴を共にし、性交し、朝が来る。ある日、秀雄が朝に仕事へ出ると、ベッドに残されたのぞみの手足が動き出す。ベッドから出たのぞみは自ら窓の外へ手を伸ばし、落ちてきたしずくを見て「キレイ」とつぶやいた。
裸だったのぞみは部屋にある様々な服を試着し、選んだメイド服を着て外へ出る。少しぎこちない動作で外へ出る。のぞみにとっては見えるもの聞こえるものが全て新鮮だった。ゴミ集積所を不思議がったり、警察官ととりとめのない話をしに交番へ向かう未亡人の後をついていったり。そして入ったレンタルビデオ店で、店員の純一に恋をする。
(引用元)
【ドルヲタ的おすすめポイント】
主人公の「のぞみ」がラブドールであるという、一見やや危ないようにも感じる設定がキモのこの作品ですが、内容としては美しい映像がふんだんに散りばめられた綺麗な映画なので安心してください。(しかしちょいちょい性的なシーンがあるので、苦手な方はご遠慮ください。ちなみにR-15です。)
そして僕がこの作品を見て思ったのは『自分がいま応援している推しメンは、いつ、何がキッカケで自分の特別になったんだっけ?』ということです。
というのも、この作品はある日突然心を持った空気人形の「のぞみ」が、恋の幸せを知ってしだいに人間らしさを獲得していきながらも『代用品である』という人形としての宿命の虚しさを感じ、決して手に入らない「誰かにとっての特別になる感覚」に想いを馳せながら進んでいきます。
そうして「のぞみ」はどんなに願っても代用品にしかなれない自分を哀れみながら、「きっと人間は自分と違い、誰もが誰かの特別になれるのだろう」と思いながら外の世界を見回してみるものの、どうやらそんなこともなく、誰もが「誰かの特別になりたい」と願い、もがいているように見えていきます。
そんな本作のストーリーに重ねながら思ったのは、人が誰かの特別になることや特別になろうとする気持ちは、そのままドルヲタの発想に変換できるのではないか、ということです。
「世の中に数えきれない程のアイドルがいる中、なぜ自分は今の推しメンを選び、特別に好きになり、応援しようと決めたのか?」
そんなドルヲタとしての初心であり原点ともいえる問いについて、改めて考えてみたい方にこそ見て欲しい作品です。
途中休憩
はいっ!
作品の紹介は以上となります。
続いては各作品への僕の感想を書いていきます。
普通にネタバレ込みで書くので、未視聴で気になった作品があった方は事前に本編を見てから読むことをオススメします。
それでは以下より始まります。
ネタバレ感想「脳内ポイズンベリー」
まずつくづく自分とは無縁な恋愛映画をこうしてたま~に見る度に思うのは、「男マジ最悪ゥ~w」ってことですw
基本、少女漫画は主人公のヒロイン目線で描かれる話なので、ストーリーの演出上、登場人物の男が無神経な言動を起こすことがよくあると思うのですが、そのたびに僕の心に住む女子の人格が「も~、だから男ってサイアクゥ~(ブス声)」とブチ切れる声が聞こえましたw
ただ、きっと自分もこういう作品に出てくる無神経男と同じような事を普段気付かずやっているのだろうなと自戒を込めて思いつつ、フィクションといえど、そういう端から見て好ましくない行動をこうして客観的に見る機会を持つのは大事だなと改めて感じます。
で!!!話を戻してこの作品への感想なんですが、まず上記紹介欄で僕が言った「自分が後悔しない選択を導き出すためのヒント」について触れておくと、先ほど貼った予告編動画で吉田役の西島秀俊が言っていたあるセリフがそのままその問いへの答えであり、かつこの作品の核となるメッセージであると思います。
そのセリフとは、
『大事なのは「誰を好きか」じゃない、「誰と一緒にいる自分を好きか」ということだ』
という一言です。
これをアイドルヲタクに変換すると、『大事なのは「誰を推すか」じゃない、「誰を応援してる時の自分を推したいか」だ』という事になるかと思います。
つまり『応援することでより自分のことを好きになれる相手こそ、自分が真に応援すべき推しメン』ということになるのではないでしょうか。
少し話題を変えます。
僕は普段「敬意を含まない好意は自己満足で薄っぺらい」と思っているのですが、その分、ヲタクから推しメンへの純粋な「好き」という感情の中には「あなたのようになりたい」という「尊敬」の要素も少なからず入っていると感じます。
グループ(もしくはソロ)という環境の中で、個人としての推しメンがどういう特性や個性をどう生かし、どう伸ばし、どう周囲に影響を与えていくのかを見ながら、ヲタクはその過程を無意識に「なりたい自分像」に重ねている気がします。
そんな、半ば「理想とする自分」の投影ともいえる推しメンだからこそ、その姿や成長を見て心震え、どんどん推しメンを好きになっていくのに平行して、それを応援している自分自身をも好きにさせてくれる相手こそ、他でもない自分が真に大切にすべき推しメンだと思います。
さて、再び話を作品の感想に戻すと、主人公のいちこが早乙女をフる結末について、僕はこれをハッピーエンドだと思いました。
きっと早乙女がもう少し人生経験を積んだ大人で、越智さんとのいざこざや自分の過去をちゃんと精算できていたらいちことの関係性も変わったのかもしれませんが、少なくとも本作品の状況における2人は一緒にいることで互いを傷つけてしまうばかりに感じたので、2人が再度自分を見つめ直し成長できた契機としてこの破局を受け入れ、納得して終止符を打つことができたと考えれば、それに費やした時間は充分に有意義なものだったと感じます。
ちなみに映画は早乙女と別れた後のいちこに新たな恋の気配を感じさせながら終わりましたが、原作である漫画版を読んでみたところ、その結末は全く違ったものでした。
それについてここでは言及しませんが、各キャラの実写版キャストとのイメージもピッタリで全6巻と比較的読みやすいボリュームだったので、気になった方は是非読んでみてください。
あともう一つだけ言うと、僕は人間の性格を単なる「考え方のクセ」だと思っているので、0か100かで「あの人はポジティブで明るい」「あの人はネガティブで暗い」と線を引かず、どんな人でもこの作品のように色んな自分が脳内会議をしているのだと考えると、一見して全く自分とタイプの違う相手でも、ある程度親近感を持って接することができるようになると感じました。
まぁヲタクに関して言えば極端にポジティブすぎたり、逆にネガティブすぎても色々拗らせますからねw
そのためちょうどいいバランスを考えつつ、ポジティブな自分もネガティブな自分も受け入れて、更に冷静な自分も子供っぽい自分も、その全部があって内面で作用し合っているからこそ今の自分が成り立っているんだと思えば、どうしようもないところも含めて前より自分を少しだけ好きになれる気がします。
そうして自分を好きになることで、更に広い視野で人を好きになることができるのではないでしょうか。
本作を見て、改めてそんなことを考えさせられました。
ネタバレ感想「おんなのこきらい」
この映画についてはクライマックスの公園のシーンがとにかく辛くて、一生忘れない自信があります。
先述した「可愛さ」という大テーマについては、物語序盤におけるメイクから言動まで完璧に自身の理想像を体現できていた頃のキリコより、中~終盤にかけてのバーでキレて感情的になる所とか、心配して家に来てくれたコウタの前で吐いちゃう所とか、それを助けられたことに悔しさの反面嬉しさを感じて、グチャグチャの状態でも無邪気に笑っちゃう所とか、髪を切ってもらって嬉しそうな所とか…そういうカッコ悪い所を含めた人間としての総合的な可愛さが、前半の作り物のような無機質で冷たい可愛さと見事に対照的に描かれていて、その変化に強く惹かれました。
そしてなにより、最後の鍋のシーンでキリコが走り去った後のコウタと奥さんとの「いいの?追いかけてあげなくて」→『なんでそういうこと言うの?』→「女だから」というやりとりが本当に大好きで印象に残っています。
奥さんとしては旦那のコウタをキリコに奪われるかもしれないにもかかわらず追いかけるよう促したことに、コウタへの絶対的な信頼を感じさせるし、最後に言った「女だから」という一言から、「コウタの妻」という立場ではなく、「一人の女」として今のキリコを思いやった事が分かります。
そこからのあの公園のシーン。
砂場に座り込んで服も汚れ、涙で顔もグチャグチャのキリコだったものの、その姿はこれまでのどのシーンよりもカワイイと感じました。
そういう「カッコ悪い所も含めた女子の可愛さ」をこの作品は本当に丁寧に描いていて、鑑賞前と後で僕の中での「カワイイ」の定義がより深く、広く更新されたような気がしました。
またユウトを奪った嫌な女・サヤカは可愛くあることに闇雲に固執していた頃のキリコの投影で、そんなサヤカを初対面時から嫌っていた事が、誰よりキリコ自身が「周囲から可愛く見られるために嘘の自分を演じること」に無意識下に息苦しさを感じていたことの証明なんじゃないかな、とも思いました。
基本「カワイイ」に関しては女はプロで男はズブの素人かつ観客みたいなもんだと思うので、受け手の感性の乏しさで発信側の表現の幅が狭まらないよう、世の中には色んな種類の「カワイイ」があるという事を忘れないようにしたいです。
時代的な話をすると、SNSの興隆に伴って男側が理解・許容できない女の言動を思考停止で区分けするための「メンヘラ」みたいな乱暴な線引きの言葉を聞く機会も多くなったように感じますが、仮に100%を理解することが不可能だとしても、理解しようと歩み寄って40%、50%…と少しずつ共感していくことはできるのではないかと思います。
基本生きている人間な時点で老若男女すべてが大なり小なり何かしらの「面倒くさい部分」を持っていると思うので、そのマイナス面だけを見て「厄介だ」と思考停止で遠ざける事をせず、「その面倒臭さこそ個性」と考えることができれば、もっと相互に分かり合って好きになることができるのだと思います。
そしてだからこそ、たった一人の推しメンに対しては長所も短所も面倒臭いところもトータルの個性として見て、今後も決して使い回しじゃない特別な「カワイイ」を伝えていきたいですね。
改めてそんなことを考えさせられた良い映画でした。
ネタバレ感想「空気人形」
この作品についてはまず「良作だ!」という他にいくつか言いたい事があるのですが、そのうちまず一つが「のぞみ」の持ち主であった「秀雄」についてです。
秀雄は「普段ファミレスで働く冴えないおじさん」という役どころなんですが、まずこの秀雄を演じる板尾創路さんのハマりっぷりが凄いですよね。
独り身の秀雄は仕事で歳下の上司から日々罵声を浴びせられるような苦い生活を送りながらも、私生活では一緒に暮らす空気人形の「のぞみ」と寝食を共にし、洋服を買い与え、夜な夜な愛を囁くという溺愛っぷりが悲しくも愛おしい、憎めないキャラクターだと思います。
しかし物語後半、「のぞみ」が物置に隠れて姿を見せないでいると、新たな空気人形を買ってきて、かつて「のぞみ」にしたのと同じように愛を語りかけます。
更にその不倫?現場を心を持った「のぞみ」に目撃された秀雄は、事もあろうに「元の人形に戻ってくれ」と言います。
しかもその理由は「心ある人間とのつながりが面倒だから」というもの。
僕も最初にこのセリフを聞いた時は反射的に「酷い」と思ったものの、よくよく考えるとその胸中も察することができるように思いました。
つまり秀雄は自分が心ある人間と接して分かり合うことを半ば諦めており、だからこそ心を持たない空気人形の「のぞみ」をあれだけ愛していたのだという事。
そしてそれは自分の都合を他者に押し付けることなく、誰にも迷惑をかけずに身の丈に合った幸せを粛々と噛み締める生き方であり、それはそれで秀雄にとって正しいのではないかと感じました。
そのため「のぞみ」がいなくなった時に秀雄が別の空気人形を買ってきたのもごくごく自然なことではないでしょうか。
なぜなら秀雄は元々空気人形に「特別性」を求めておらず、ただ自分の愛をもの言わず享受してくれる対象が欲しかっただけなのだから、と僕は考えました。
対して「のぞみ」がレンタルビデオ店で出会い恋をした純一は、不意に「のぞみ」の正体が空気人形であることを知っても「人か人形か」で線引きをせず、ただ「のぞみ」を「のぞみ」という唯一無二の存在として受け入れます。
また足を滑らせ脚立から落ちた拍子に身体の一部が破け、空気が漏れていく「のぞみ」の体内に再び息を吹き込んだ純一の行為は「のぞみ」の体だけでなく、心をも満たす行為だったのだと思います。
かつて秀雄に入れられた空気が漏れ、その空白を純一が吹き込んでくれた新しい空気が満たしていく。
のぞみにとってこの出来事は、人間でいう「過去の恋人との思い出を新しい恋人との時間が塗り替えていく」という過程に近かったのではないでしょうか。
自分をただの代用品としてしか見ていなかった秀雄の入れた空気(思い出)を捨て、今の自分をまっすぐ見てくれる純一の空気を受け入れることが、自分が幸せになるために必要なことだとのぞみ自身が理解していったように見えました。
そうして自分を見てくれて、愛し、満たしてくれた純一だからこそ、自分にしてくれたのと同様に、体内の空気(過去の苦い思い出)を外に出し、新たに自分の息(自分と過ごす時間)を吹き入れ、それを塗り替えてあげようと思い、のぞみは純一に刃を突き立てたのだと思います。
そして空気人形の製造技師役のオダギリジョーが発した「ちゃんと愛された人形は表情に出る」という旨の言葉から、ラストシーンで過食症の女性がゴミ捨て場ののぞみを見て言った「キレイ」という一言で、純一は自分の命が尽きる最後の瞬間までのぞみを愛していたことが分かります。
それでもなお、拒絶しようと思えば簡単に払いのけられたであろう軽い空気人形ののぞみの刃を純一は拒もうとせず、その意図を汲み取った上で受け入れたのではないかと思います。
そして願わくば人間の体でありながらそののぞみの刃と吐息を全て受け入れ、ちゃんと過去を精算した身体でのぞみと愛し合っていきたかったのではないかと。
しかしその願いが叶うことはなく、途中で出血多量で息絶えてしまったのではないかと。
もちろんそもそもファンタジー要素が強い設定なので、一から十まで真面目に考察するのも少し奇妙な感じを覚えますが、一見恐ろしい最後ののぞみの行動も「自分がしてもらって嬉しかったことを相手にもしてあげたい」という純粋な好意からきたものと考えると、とても納得がいくように感じます。
対してそれを命の限界まで受け入れ続けた純一も、その儀式を乗り越えれば、空気人形であるのぞみと本当の意味で対等に付き合っていけると思ったのではないでしょうか。
この作品を見て僕は、自分にとって特別だと感じた相手に対して「自分も相手の特別になりたい」と思う感情は、とても人間的であると同時に少し危険な要素も含んでいるように思いました。
上記の通り「与えてもらったら返したくなる」というのは自然な流れですが、その順序が無意識のうちにこじれ、「見返りを得るために一方的に与える」という事になると、それは単なる気持ちの押し付けではないでしょうか。
きっとのぞみも、代用品としての振舞いを求めてきた秀雄や、性的対象として見てきた店長と違い、はじめから何の見返りも求めずただ真っ直ぐ自分を見てくれた純一だからこそ、自分自身の素直な気持ちを吐露することができたし、その結果好きになれたのだと思います。
改めて「人が誰かの特別になるということ」について深く考えさせられた綺麗な作品でした。
さいごに
さて、いかがでしたでしょうか。
まぁそもそも「お前が恋愛語るなんて1000年早いわ」と人に言われる前に自分で思いながら書いた当ブログでしたが、ぼーっとしてるうちに年も変わっちまった事ですし、たまにはこういう柄でもないことするのもアリなんじゃないかと思います。
変にドルヲタやってるとどうにも空き時間の使い方がヲタ活に偏ってしまいがちな気がしますが、時にはこうしてヲタ活を軸に視点をズラして、興味の幅を広げていく事も面白いのではないでしょうか。
僕は本年も引き続き、浅く広くで興味のセンサーをブンブン振っていく予定なので、お時間ある際にお付き合いいただければ幸いです。
また映画については知識浅いなりに感想トークとかできたら嬉しいので何卒よろしくお願いします!
それではこれにて終わります。
新年一発目のブログありがとうございました。
お粗末!